nazuna ニッキ 2020年 2月 如月

 

 

2019のニッキ 

 

to index menu


12.如月(WED) 晴れ

薺nazunaをオープンして間もなく、

熊本の瓢古庵さんにオーダーして作って貰った花手箱。

平家の落人の里として有名な人吉の、

手仕事の品、花手箱を考案されて制作されていた瓢古庵さん。

その後、花手箱は型押しに均一に塗られたものが大量に生産されていったみたいだけど、

瓢古庵さんは一筆一筆、丹念に描いて作ってくださって。

熊本の民芸としてサイトに連絡先が書かれていたので、まずはお手紙で注文したい旨を伝えて、

注文方法や支払い方法など尋ねたら、

あっさりと電話が掛ってきて、気さくにオーダーに応じてくださった。

『ナズナ』の柄を注文したら、

「季節はずれだったので図書館の植物図鑑をスケッチしたけど、それでもいいですか?」って。

見事にナズナを描いてくださって、手元に届いたのを見たとき、どんなに感激したことか。。。

 

  

 

その後、椿の花手箱もオーダーして作って貰った。

 

瓢古庵さんとはしばらく年賀状のやりとりをさせて頂いたけれど、

あるとき、宛先不明で葉書が戻ってきて、何度出しても戻ってきてしまっていたので移転されたかもしれない。。。

それからずいぶん経って、熊本で大震災もあったので消息を調べようとしたけれど、

ついに分からないままになってしまった。。。

今もお元気にされているといいなと思うけれど。。。

 

夏の間は絵の具が乾かないから作らない、と。

木を切って、箱を作るところから手づくりされて。

花の絵柄などは基本実物を見て、写生してから絵付けに入る。

こんなに手間のかかる手仕事を手に出来て、良かったなあと今も思う。

15年近く愛用して、白木の色がだんだん飴色になってきて、

良い艶もでて、なんとも言えない風情になってきた。

椿の箱は、アクセサリー入れに。

ナズナの箱は、裁縫道具を入れて、毎日愛用している。

 

実は量産ものの花手箱も持っている。。。

上京して間も無い頃、たしか九州のお土産で頂いたもの。

それが”花手箱”との最初の出会い。

その後、ふと、裁縫箱用に小さいサイズが欲しくなり、

”花手箱”という民芸の品を調べていて、最初の考案者である”瓢古庵”さんを知ったといういきさつ。。。

量産ものも、それなりに可愛いけれど、

やっぱり瓢古庵さんの手描きの箱にはかなわない。

瓢古庵の手描きの箱は、私の大事な宝物です。。。


11.如月(TUE) 晴れ

おしなものに新しいアイテムをアップしました。

お時間ございましたら、是非覗いてみてください。

なずな

---------------------

バレンタインデーは我が家はもっぱら和菓子です。

そういう話しをしていたら、すぐにも食べたくなってしまい、和菓子を買いに『玉川屋』へテクテクと。

 

丁度、桜餅の出始めの頃。

”桜餅”といったら関西ではもっぱら”道明寺”が普通。

でも、こっちで”桜餅”といったら、これなんです。

私はなんといっても道明寺派なので、あまりこの桜餅を食べることはないのですが、

まだ道明寺は出してないと言われて、仕方が無く。。。

でも、久しぶりに食べてみたら、美味しかった!

薄皮がモチモチしてて、餡の味、桜の葉の塩気も絶妙で。

色んなお店の、このタイプの桜餅を少なからずも食べてきたけど、

大抵、乾いてるというか、粉っぽい感じであまり好きではなかった。

でも、『玉川屋』さんのはモチモチしてて美味しかった。

また一つ好きなものが増えました。

 

和菓子に蓮茶。

緑茶はお腹がキューっと痛くなるけど蓮茶は意外にそうでもない。

緑茶がセオリーな場面ではもっぱら我が家では蓮茶です。

 

台湾茶器の小さな急須に、たっぷりの蓮の茶葉を入れて小さな器で飲むと、

本当にお茶はアロマだなあ、と感嘆するほど、心地よい一息がつけます。

 

台湾茶器の茶壷(急須)は持っていても、他の道具などのセットは持ってない、

でも、様々なものを寄せ集めにして使うので充分。

祖父母が使っていた松の木のくり抜き盆(水に強い)に、

19世紀にアメリカで使われていたピューターの粥入れ(ポリンガーという)に茶壷を載せて。

茶海がないので、煎茶器を茶海の片口代わりにして。

茶漉しはインドのアンティークの銅のティーストレイナー。

湯のみは骨董の蕎麦猪口と江戸時代の煎茶碗。

どれも寄せ集めの日用使いのものばかりだけど、そういうお気に入りの寄せ集めが好き。

スプーンもお皿もカップも一つずつお気に入りを集めたい。。。

 

前に、デパートで手づくりの木のスプーンを制作販売していたところに遭遇して、

その中から気に入ったのを「1本下さい」と言ったら、

変な顔をされて「一つ?たったの一つ?」って。(苦笑)

日本は五つ一組なんだろうけど、そんなに沢山同じものを欲しく無い。(笑)

好きなものを少しずつ、使える分だけでいいなあと思っている。

 

和菓子屋さんからの帰り道、夕暮れには早くて、

うっすらと霞みの向こうに富士山の姿。

春は空が煙ってくるので見えなくなるね。。。


10.如月(MON) 晴れ

アイテム制作の大詰めで、

かぶせの部分の布に傷みを発見して、お蔵入りした蛇腹式小物入れ。

目立たない傷みだけど、使っているうちにすぐに破れてしまったら大変。。。

なので、これはお蔵入り。

 

この網代文様の染めや織り布がどうも大好きで、

よく登場させてしまう。

表も内布も網代編み文様なので、留め具も網代文様を彫ました。

 

花柄とか可愛らしい柄よりか、こうした江戸っぽい文様がなんだか好きで。

男っぽいといったら男っぽい。

なので、男性向きともいえるけど、女性がこうした渋めの小物をサっと手にしていると、

『粋な姐さん』的な風情が醸し出されて素敵だなと思うワケで。。。

渋めの見た目に、裏地は華やかで艶やかなのが江戸っぽい。。。

そういう時に持ちたいのが、薺nazunaの小物入れだなあと思って、ひたすら作っている。

木綿の中形の型染め。

なんてことのない襦袢や日常着にも、昔の人の手仕事は繊細で手抜きなど一切なし。

せっかく作ったのにお蔵入りは忍びないので、ニッキの上でお披露目です。。。


09.如月(SUN) 晴れ

晴れた日に浮かび上がる日の丸自動車学校のオブジェ。

通常は赤い玉だけど、東京でのオリンピックが決ってからこんな感じで応援してくれているのね。

五輪開幕頃はどんな感じになっているのかな、東京は。。。

 

そして今日もパンを焼く。

1週間に一度、500gの粉を生地に仕込んで冷蔵庫で寝かせ、

二日経ってから焼きはじめる。

一日二本のフランスパンを焼く。小ぶりなサイズだから、一人1本ずつ食べる。

今日は昔懐かしい感じのソーセージドックにしてみた。

ケチャップが懐かしの調理パンな感じだけど、パンが美味しいからちょっと一味違う。(笑)

自分で作ったパンが無い日はちょっと物足りないくらい。


08.如月(THU) 晴れのちくもり

ずいぶん前に編んだアローのストール。

ダンナさん用に編んだものだけど、主に私が使っている。

絹やウールや木綿のストールもある中、

極細の糸を手編みしたストールがなんだか心地よい。

ぴっちり織り上がった布帛のストールも良いけど、

ゆるいながらも細やかな編み目が、たっぷり空気をはらむので、

温かさが倍増しているからなのかも。。。

手編みのマフラーやストールが暖かいのはそういうことなんだなあ。。。

細い糸なので「手編みで使う」と言ったとき、売り手の方は驚かれたっけ。

細い糸で編んであるのが一層、空気の層ができるのかも。。。

 

そう、薺nazunaを始めて間も無い頃、アローの手紡ぎ糸に出会ったんだっけ。

これは織り糸ですよ、と紹介されて。私は布を織らないけれど何かこの糸で作ってみたい!

そう思って、カセのまま購入して、まず手作業で巻取って玉にするところから。

これが本当に大変だった。

通常だったら器具を使ってカセから玉にするところを、それがないので椅子の背にカセを引っ掛けて、

毛糸を玉に取っていく要領で延々、延々。。。何日もかかって玉に巻取っていったっけ。

玉にしてから、今度は編む作業。

細い手紡ぎ糸を棒針編みでひたすら編む。

単純な編み地だけど、ひたすら編んでストールにしてみた。

出来上がったストールはちょっとゴワっとする感じ、

でも、身につけてみると案外身体に馴染んでくる。

何より、自然のままの糸の色の濃淡も良かった。

 

そんなアローのマフラーのことをニッキに書いたら、「もし販売されるなら、是非欲しい」というメールを戴いて。

じゃあアイテムとして作ってみよう、とその後、幾つかせっせと編んで作った。

最初は手紡ぎ糸だったアローも、だんだん機械で紡績されたものしか手に入らなくなって、

機械紡績の糸はアローの繊維が痩せてしまっていて、あの豊かなフワフワとした繊維が柔らかな糸ではなくなっていて。

カセから玉にする作業で巻取る度にブツブツ切れてしまう。

幾つもの結び目が連なる糸になってしまい、作るのを諦めざるを得なかった。

手紡ぎされた糸が手に入ったらまた編もう、と。。。

それから、もう随分と編んでない。

 

昔に編んだアローのストールを、ずっと長く愛用されてる方が「身体の一部です」とおっしゃって下さった意味が、

自分も(ダンナさんのストールを奪って。笑)身に付けていると本当にその心地よさを実感してしまう。

やんわりと編んだ素朴なストールだけど、どこにも無いものだと思っている。

冬は本当に重宝しています。。。


06.如月(THU) くもり

小麦粉ベルムーランのみで生地を仕込んだのを焼いてみた。

パリパリ、フワッッフワ、そしてモッチモチ。

セーグル粉が入ると、フランスの田舎パンだけど、

ベルムーランだけのパンは”ハイジの白パン”っぽい。

バターとチーズがよく合うパン。

柔らかなハムを挟んでも美味しいパン。

今日の晩ごはんはグラタンを作った。

グラタンに自家製パン。

薄力粉と同量のバターを炒めてミルクを注いで作るベシャメルソース。

太めで大きめのショートパスタを合わせるとソースがからんで美味しい。

やっぱり鶏もも肉がグラタンにはよく合う。

小学校の家庭科のときに習ったレシピは大人になっても大活躍。

レストランのグラタンよりも、断然ウチのグラタンが美味しいと私もダンナさんも意見は一致。

仕上げにかけるパルミジャーノチーズのスライスしたのが美味しさの決め手かな。

グラタンにはフランス産のがいいんだろうけど、我が家はなんといってもパルミジャーノ派。

ブルーチーズも入ればもうサイコー。


02.如月(SUN) 晴れ

お天気は良くても、二月は冬の気配がひしひしと感じる。

でも、例年よりも断然暖かく、雪もないのが嬉しい。

子供の頃から冬の木々を眺めるのがなんとなく好きだった。

枝々の繊細なレースのように、空に透けているのが何ともいえない。

冬の空の灰色を背景にした黒々とした木の幹の色が好きで、よく絵を描いた。

冬の景色を描いた絵画や写真を見ると、今も惹かれてしまう。

 

好きな風景の中には必ず木が必要で、

生まれ故郷も今の暮らしも都会のど真ん中で、それほど樹と密接ではなかったのに、

樹木があるだけで何か心地よいものを感じているんだと思う。

 

家の近くの公園も木々で囲まれているけれど、

そこは秋になると区の公園管理係が落ち葉の掃除をするのを嫌がってか、

役所に依頼された作業員らがトラックで乗りつけてきて、

無情にもバッサリと太い枝ごとチェーンソーで刈っていってしまう。

そこに巣を作っていた鳥たちの大騒ぎも知ったこっちゃないと言わんばかりに。。。

 

まだ10年くらい前までは、毎日公園を掃除してくれる高齢の人達が通ってきていて、

丁寧に落ち葉を掃き集めて、ゴミ箱や雑草も丁寧に手入れをしてくれていた。

その頃はまだ公園には大きなケヤキの大木があって、それが季節を通してなんとも言えない風情を醸し出していた。

緑の葉が作る影や、高原で棲息しているような野鳥がたくさん遊びに来たり、

木の根っこにキノコが生まれたり、とても都会の公園とは思えないような癒しの空間になっていた。

 

公園で大規模工事が行なわれることになって、ケヤキや柿の木、銀杏などの木々達は、

掘り出されて運ばれていったっきり、数年に渉る工事が終わってからもついに帰って来なかった。。。

 

この界隈の坂の下にある国の施設が大雨の浸水被害が出るということで、

大規模な下水道工事が行なわれることになって、土砂を運び出すダンプカーが出入りするために、

ずいぶん離れた場所にあるこの公園に巨大なトンネル開口部が設けられて、

豊かな土に覆われていた公園は下が固い(たぶんアスファルト)ところに砂を撒いた感じの、

学校の校庭のような地面の公園になった。

樹木が豊富で土と緑に覆われた公園は運動場に変わって、

界隈の子供達も毎日元気いっぱい走り廻って遊んでるけど、

土も樹も豊富な公園が良かったなあ、と思っている。

災害時の避難場所に設定されたので、そういうことは分かっている。。。

 

あの清清しい声で鳴く小鳥たちが来ないのは、ケヤキの大木が無くなったからなんだろうなあ。

豊かな土のままの公園って、郊外や地方に行けばそんなのいくらでもあるけど、

都内の都心部にはもう殆ど残ってないから、本当に貴重だと思う。。。

 

御正月飾りの中にあったネコヤナギ。

芽をつけているので捨てるに忍びなくて、ガラス瓶に入れておいたら、

どんどん猫のシッポが顔を出してきた。可愛いー。


Copyright 2020薺nazuna All Rights Reserve