品番-164番
ベンガラの型染めと南部麻の蛇腹式小物入れ
くっきりと鮮やかな茶色の型染めはベンガラ染めのもの。
時代は幕末から明治頃の木綿。
時代を経ても色濃く染められた縞が鮮やかな古布をかぶせにして、
パイピングもベンガラ染めの縞の布を、
藍染めの厚手の麻とのコンビネーションにして、
蛇腹式小物入れに仕立てました。
極細番手の縹色の縞の上布をマチに使ってアコーディオンポケットに。
パリのカフェでギャルソン達が持っていたギャルソンウォレットのデザインです。
お財布にしてもカードやお札がたっぷり収納できるのはシンプルな仕切りならでは。
用途を定めないポケットが逆に使い勝手のよい小物入れに。
チケットホルダーやトラベルウォレットとしても。通帳の仕分けやお薬手帖、母子手帖を仕舞ったり。
またはペンケースなど様々に使えます。
袋ものの素材を布、主にアンティークの布にこだわって作るのは、
やはり柔らかな手触りと、他の誰も持っていない自分だけのオンリーワンのものを愛用できる楽しみのため。
布の良さは何よりも修繕しやすく、手馴染みの良さから、
お使いのうちに何物にも代え難い愛着の沸く道具となっていくように思います。
表や内布に使っている麻はリネンではなく、日本古来の”アサ”とよばれる古代布。
手触りも独特の、野趣溢れる麻の布。
布の補強に、木綿や麻の古布を重ねます。
長く作っている間に、化繊の芯地は柔らかな古布を逆に傷めてしまうことを知りました。
昔の木綿や麻は殆どが手で紡いだり、績んだりした”やんわり”とした糸で織られています。
木綿は使って行くうちに、まるで綿=ワタへとかえっていくような手触りになっていくもの。
なので、化繊の芯や裏地、糸がなんだか浮いてきてしまうように思うのです。
そういうわけで、この数年、糸も木綿に、裏打ちにも麻や木綿を使うようになりました。
収納ポケットは全部で6つ。
仕切りポケットは昔木綿の遊び心溢れる染め柄のもの。
お使いの度に目を楽しませてくれることでしょう。
かぶせの留め具はアンティークのボタンを使っています。
100年以上前のイングランドのもの。裏側にはボタン止めに使ったアンティークの交易ビーズです。
藍の深い色に、ビーズと内ポケットの色はお揃いの緑色でアクセントに。
紐先につけた留め爪は30年以上乾燥させた山桜を手彫りしたものです。
丈夫なイタリアンレザーの革紐がキュッと本体を気持ち良く締めつけてくれます。
一つ一つの工程を手縫いし、仕上げもすべて手仕事で仕立てた小物入れです。
薺nazunaの製品はすべて手縫い仕立て。
接着剤は使っていません。
手縫いにこだわるのは、布と布の合わせ目がふんわりとふっくら仕上るので、
手織りのものや上質の素材には手縫いで、というのが信条です。。。
手にしたときに心が和むような、かぶせを開け閉めする手が喜ぶような、
愛着の湧く小物入れに仕上ったと思います。
縞の型染めの小物入れ、
さあ、何を仕舞いましょうか。
size
: 19cm × 10.5cm
(蓋をぴったり閉ざした時のおよその大きさです。)
表布 : 型染め木綿+藍の厚手アサ (古布)
内布 : 南部麻+藍木綿 (古布)
ポケット : 縹色上布と染め木綿(ともに古布)、グリーンのリネン(古布ではありません)
留め紐 : イタリアンレザー
その他 : アンティークのボタン、アンティークビーズ、山桜の手彫り留め爪、インディアンシニュー
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