品番-p004番

江戸葛布の重ねの小物入れ

 

特別な素材を用いたプレミアムなアイテムです。

幕末、武士の裃として使われていた葛布を小物入れに仕立てました。

縦糸も緯もすべて葛の糸で織り上げた布は、まるで和紙のような手触りの布。

武士は折り目正しく整った装束を好んだとのことなので、

この葛布の布とは思えない手触りは、まさになるほどと思うに至ります。

 

この細かな縞は、織り上げた葛布に縹色で型染めされたもの。

武士に好まれた一見無地に見えるほどに細かな染めの『江戸小紋』の縞。

比較的染め易いと言われる絹ではなく、独特のテクスチャーの葛布にこれほど細かな型染めは、

なんと高度な技かと溜め息が出ます。

 

内布には、深い藍と縹色の縞の葛布を合わせました。

こちらは縦糸に木綿、緯に葛糸で織られたもの。

地色は藍で何度も深い色になるまで染めて、縞は縹色に型染めしたもの。

こちらも手間の掛る織りと染めの葛布です。

どちらも薺nazunaを始めて出会えたのは一度きり。

こんなに珍しい葛布の重ねを仕立てることが出来て嬉しい限り。

 

(一番最後の画像を参照)表布の葛布に、2つほどの極小の穴があります。

裏にボルドー色の木綿の古布を重ねています。

古い希少な布ゆえの傷なども、さし色の布を重ねることで、

また一つの景色として楽しんでいただければと思います。

 

ポケットは全部で3 つ。

仕切りと前ポケットには、やはり手触りと質感が和紙のような亮布(リャンプー)を使いました。

亮布は貴州省少数民族によって古来から民族衣装に用いられてきた珍しい布。

手織りした木綿布を黒に近くなるまで藍染し、その後卵白などを塗布して

砧で気の遠くなるほど布を打ち続けて、光沢を出した布のこと。

和紙のように薄くなった布は、布とは思えないほどの輝きを放ち、水をはじくかごとく。。。

葛布に亮布、和紙のような布尽くしでもあります。

 

小物入れに合わせて手彫りした山桜の留め具。

40年以上も乾燥させた山桜は赤味を帯びて、手で撫でるうちに良い艶が出て来ます。

その留め具に麻糸を一度解いてから四つ組した組紐を通しました。

紐には天然石のカーネリアンのビーズを。

紀元前の貴重な古代ビーズの緒締玉です。

前ポケットの留め具には、150年以上前の古竹を手彫りしたものを。

縞の葛布に、飴色の煤竹がよく映えて。

 

端正な折り目の仕立て映えのする葛布の小物入れとなりました。

武士の懐に入っていてもおかしくないような風情の小物入れ、と手前味噌ながらに思います。

 

特別な布で仕立てたプレミアムシリーズのお品です。

着物女子にも、着物男子にも、勿論、現代の装いにも。

箪笥の引き出しに仕舞う宝物入れとしても、

お守り入れ、旅の財布代わり、大切なジュエリーを仕舞って贈り物にも。。。

 

 

薺nazunaの製品はすべて手縫いで仕立ててあります。

接着剤は使っていません。

芯地には上質な厚手木綿を使っています。

手縫いにこだわるのは、布と布の合わせ目がふんわりとふっくら仕上るので、

手織りのものや上質の素材には手縫いで、というのが信条です。。。

手にしたときに心が和むような、かぶせを開け閉めする手が喜ぶような、

愛着の湧く小物入れに仕上ったと思います。

 

葛布の重ねの小物入れ、

さあ、何を仕舞いましょうか。

 

size : W16cm × H9cm
(蓋をぴったり閉ざした時のおよその大きさです。)

表布 : 葛布 (古布)

内布 : 葛布 (古布)

ポケット :亮布

留め具:山桜、150年以上前の煤竹

留め紐 :麻の組紐

その他 :古代ビーズ・カーネリアン

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