品番-166番

おもちゃ尽しの小物入れ

 

丁寧に織られた縞の布は、

清清しい藍の地色に、亜麻色の糸で縞柄にした昔木綿のもの。

この布を見ていると、天然の染料で染められた糸の濃淡や

手紡ぎされた均一ではない糸の表情の豊かさのせいなのか、

何か光を発しているような錯角を覚えるのは私だけでしょうか。

他愛もない庶民の木綿の着物にと織られた布ながら、

心地よい気持にしてくれる布に思えて。

そんな布を楽しんで頂きたくて、

縦横に縞の布をはぎ合わせて小物入れに仕立てました。

 

内布にはめでたいモチーフや愛らしい玩具が描かれた木綿の布を

吉兆尽し、おもちゃ尽しというのでしょうか。

今ではもう再現できないような繊細な図柄に、柔らかな染め色の品が良い貴重な古布。

ずいぶん昔に出会ったものの、なかなかハサミを入れられずにおりましたが、

心和むものをお届けしたく、ぜひとも小物入れにとふんわり仕上げでお仕立てしました。

かぶせを開けたときに心がほっこりするような、

表も内も暖かな布で合わせることが出来ました。

 

仕切りポケットには古布の綱文様と火消しの柄の木綿の布を。

前ポケットには差し色に、若竹色の木綿の布を。

中の留め具は、100年以上前のアンティークボタンに、手編みしたシニュー糸のループと、

やはりアンティークの交易ビーズを飾ってアクセントに。

 

収納ポケットは全部で3つ。

かぶせの留め具と、紐先につけた留め爪は30年以上乾燥させた山桜を手彫りしたものです。

丈夫なイタリアンレザーの革紐は長めに取り付けてありますので、

このままでも、またはお好みの長さにお切り戴いてお使いください。

 

一つ一つの工程を手縫いし、仕上げもすべて手仕事で仕立てた小物入れです。

薺nazunaの製品はすべて手縫い仕立て。

接着剤や接着芯は使っていません。

手縫いにこだわるのは、布と布の合わせ目がふんわりとふっくら仕上るので、

手織りのものや上質の素材には手縫いで、というのが信条です。。。

手にしたときに心が和むような、かぶせを開け閉めする手が喜ぶような、

愛着の湧く小物入れに仕上ったと思います。

さあ、何を仕舞いましょうか。。。

 

size : 15.5cm × 11cm
(蓋をぴったり閉ざした時のおよその大きさです。)

表布 :     藍の縞木綿 (古布)

内布 :     染めの木綿布(古布)

ポケット :   染めの木綿(古布)

留め紐 :    イタリアンレザー

その他 :    アンティークのボタン、アンティークの交易ビーズ、山桜の手彫り留め具、シニュー糸

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