品番-161番

樹と革と布と 

 

戦前の日本で織られた生成りの木綿布。

しっかりと密に織られた布は今のものと違って、

木綿のワタがたっぷりした糸で織られているので布の手触り、厚み、表情が違うように思うのです。

昔木綿の生成色や麻やリネンの白など、

植物の繊維そのままの色や晒された色が何故か無性に魅了されます。

 

そんな生成色の木綿布に、撚りのない木綿糸で表情をつけてみました。

光の陰影で浮かび上がるニードルワークのあと、

刺し子のような、カンタ刺繍のような、

ちくちく縫いの糸は、

小物入れを手にしたとき、何ともいえない手触りが心地良いのです。

 

内布は、京都の青土さんの大麻布。

ポケットの生成りの麻は、イタリア産の大麻布。

産地によって、作る織物工場や工房によっても、

同じ素材でもこんなに手触りも色や見た目も違うのだなと思います。

 

昔木綿の生成布と、山桜を手彫りした留め具、イタリアンレザーの上質なヌメ革紐、

自然のままの色や手触りを楽しみたくて、

ナチュラルな小物入れに仕上りました。

 

小物入れに何を仕舞いましょうか。

それは機能的に役立つ道具というよりも、

手にしていたら何かホッと安心するもの、

そっと密かにバッグの中に、

机の引き出しに、

箪笥の中に仕舞っておきたい。

そんな大切な何かを仕舞うための小物入れです。

ささやかな心和むものをお届け出来たら幸いです。

 

size : W17cm × H10cm
(蓋をぴったり閉ざした時のおよその大きさです。)

表布 :戦前の国産木綿(古布)

内布 :アジアのヘンプ布

ポケット :イタリアのヘンプ布

留め具:山桜、イングランドのアンティークボタン

留め紐 :イタリアンレザー、シニュー糸

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