品番-148番

大麻布と縞麻の蛇腹式小物入れ

 

蛇腹式とは薺nazunaオリジナルの小物入れのことです。

アコーディオンウォレット、ギャルソンウォレットととも呼ぶものですが、

パリでカフェのギャルソンが使っていた財布を手に入れて、

それを手本にして布製で仕立てたものです。

 

手紡ぎ手織りの大麻布を、

蛇腹式小物入れに仕立てました。

古来から明治、大正まで手織りされていた藍の布。

自家栽培された大麻草から糸を紡いで手織りして藍に染めた布。

今では貴重で希少なものになってまいりました。

素朴で野趣溢れる布は、使うほどに手に馴染み、

経年のうちに表れる藍の色落ちも、味わいある風情に感じられる布です。

厚手の布だけれど、何度も水をくぐり洗い込まれたものなのでしっとりと手に馴染みます。

内側に使った藍の大麻布も同じ素材のものながら、

織り手によってこれも全く違う手触りに仕上っています。

その深く濃い藍に合わせたのは、花田色に染められた藍の縞の布です。

細番手の糸で端正に織られた布と、

少し太めの糸で織られた濃藍の縞の布を仕切りポケットに配し、

縞の濃淡と麻の質感の違いを楽しめるように、と。

内ポケットには、常盤色の緑の木綿布を。

かぶせのついた前ポケットには、蘇芳染めの麻の布を合わせました。

 

表かぶせと前ポケットのかぶせには、桜材を手彫りした留具ををあしらいました。

かぶせの前飾りはいつもの留具の趣向を変えて、

総手縫いの手仕事を表わすように、木の留め具もステッチした趣きに。

前ポケットは、木の留め具を糸ループに差し込んで使います。

お使い手が工夫して使いこなせるように、シンプルなポケットが6つ。

布と木と革、そしてアンティークのビーズ。

異素材の取り合わせが薺nazuna好みの仕立てです。

シンプルなものこそ、使い手の愛着の沸く道具になりえる。。。

そんな思いで物づくりをしています。

 

革紐でくるくる巻き付ける小物入れや長財布は、

薺nazunaの袋もののトレードマークとなりましたが、

革紐を巻き付ける作業が面倒だと思う方もいらっしゃるかもしれません。。。

でも、慌ただしく忙しい日々の中にこそ、

優雅な所作を楽しむのも良いかもしれません。

 

これは日常を楽しむ人のための日用の道具です。

布に触れ、ビンテージのビーズ、手彫りの留め具の手触りを楽しみ、

革紐でクルクルと巻く、

そんなちょっとした時間に一息ついて貰えれば、と思います。

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薺nazunaの製品はすべて手縫いで仕立ててあります。

木綿糸や絹糸は布にとけこむように馴染んで、化繊の糸のように浮き上がることなく、

布と布をしっかりと縫い合わせてくれます。

芯材は固い材と厚手の木綿布を重ねて糸で刺し子して作った自家製のものです。

どこにも接着剤は使っていません。

蛇腹は上質な上布(麻)を使い、仕切りなどのパーツも一つ一つ手縫いで仕立ててあります。

縫い目が出ないように細かな針目で縫ってあります。

手縫いにこだわるのは、布と布の合わせ目がふんわりとふっくら仕上るので、

手織りのものや上質の素材には手縫いで、というのが信条です。。。

 

手にしたときに心が和むような、

かぶせを開け閉めする手が喜ぶような、

愛着の湧く小物入れに仕上ったと思います。

size : 19cm × 9.5cm × 4.5cm(厚み)

(蓋をぴったり閉ざした時のおよその大きさです。)


表布 : 大麻布  古布

内布 : 上布   古布

内ポケット : 緑の木綿布 古布

仕切りポケット : 厚手の麻 古布

前ポケット : 蘇芳染めの麻

留め具 : 桜材

留め紐 : イタリアンレザー

その他 : アンティークの緒締玉、麻糸

 

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