品番-komono62
瑞雲ととんぼ玉の袋もの
藍で染められた麻。
日本の古来からの麻はいわゆるリネンの麻ではない。
綿花の栽培が困難であった極寒のの土地などで、
衣服や日用品に使うための布を作るための繊維は何でも利用したとのこと。
中でも早く生長して長い繊維の採れる大麻(オオアサ)は衣料や日用品に大活躍したという。
他に、葛、楮(コウゾ)、苧麻、そしてシナの木や藤の木などの樹木の樹皮からも。
そういった素材を総じて”アサ”と呼んだとされる。
蜘蛛の糸のごとく極細の糸を績んで(紡ぐこと)、
手織りした透けるほどの布は上布といわれるもの。
この麻はゴリゴリとした手触りのある野趣溢れるアサの布。
まさに薺nazuna好みの原始布。
深く濃く、藍に染められたアサの布を定番の巾着に仕立てました。
内布は、一見すると素朴な格子柄だけれど、
よくよく見てみると、格子柄はただ生糸の絹糸を入れて織ったのではなく、
ベースの藍の木綿糸に、緯の絹糸を白から縹色(はなだ色)に染めて”絣”織りして、
縦糸にアクセントで入った生成り色の絹糸で格子柄になっているという、
とても手の込んだもの。
初めて布を手にしたときに素朴ながら何か凛としたものを感じたのは、
見る人が見れば分かるという美意識で織られたものだからなのかもしれません。
シンプルでいながら手の込んだ趣向を凝らした江戸好みの粋な取り合わせ。
一つ一つ麻糸で編み込んだループの巾着には、
今や定番となった薺nazunaの手彫り瑞雲の飾りと、
春霞を思わせる手作りの*ガラスの緒締玉を合わせました。
紐も緒締玉に合わせて、吉兆の瑞雲を思わせる色どりに。
*とんぼ玉は古布に合うように製作していただいたガラスのとんぼ玉です。
知人のとんぼ玉作家山本典子さんの作品です。
藍や自然のままの色の布に映える色と、
紐が通る大きめの穴を、とお願いして作って頂いたもの。
ガラス玉の穴の縁で絹紐や革紐が擦り切れないように、
念入りに丁寧に磨いて作って下さったものです。
袋ものを開ける度に、とんぼ玉を手の中で転がすように、
小さなガラス作品の美しさも味わって頂けたら、と思います。
余談ながら、これまでのタグの変遷に加えてまた新たなタグ。
木に焼印のタグ、小さなネームタグ、いっそのことのタグ無しから、
今回は新たに、革の切れ端に焼印のタグ。
(収納物が引っ掛かる場合は取り外しも簡単ですので。。。)
size : 11cm × 17cm ×5cm(マチ)
表布 : 藍染めのアサ 古布
内布 : 藍の格子布 古布
紐 : 絹の組紐
緒締め玉 : ガラス製(手作りのガラス作家作品)
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