品番-bag76

桜皮の持ち手と亮布のバッグ

 

亮布というのは、中国・貴州省の少数民族が織り上げた藍染め布のこと。

木綿を手紡ぎして手織りした布を、藍染めを何度も何度も繰り返し、

今度は砧(木の道具)で叩き、卵白などを塗布して更に気の遠くなるほど叩いた布は、

やがて、布とは思えないほどの輝きを放つ「亮布」(リャンプー)になります。

見た目は和紙か革のようにも見え、

手触りは到底布とは思えないような感触、まるでそれは和紙のよう。

そして、見た目以上に驚くのがその軽さ。

けれども、ルーペで覗くとれっきとした手織りの布。

 

まことに不思議な、紙のような、薄革のようなテクスチャーを楽しんで頂きたくて、

シンプルに軽やかに仕立てました。

紅色、または紫がかったような藍染めに光沢が重なって金色に輝く布。

この金紅色の亮布の見返しには、黒を思わせるほど深い濃藍の亮布を合わせました。

内袋にはうす水色の上質な上布(麻)を合わせて。

上布は極細番手の麻なので、補強のために裏に同じく苧麻の薄手の布を重ねています。

麻には麻の重ねは何とも言えない心地よさを生み出します。

そんな繊細な麻の光沢は、亮布を更に引き立ててくれます。

ポケットは袋口に一つ。

見返しと同じく濃藍の亮布を使用しました。

そして持ち手は今では入手困難な桜皮を編んだものを選びました。

この金色に輝く紅色の亮布とぴたりと合う色は、桜皮を編んだ持ち手ならではの。

 

以前に一度、この亮布と桜皮の持ち手のコンビネーションのバッグを製作したことがあります。

古民具の博物館で桜皮で編んだ籠を見た際に、

桜皮が長年使い込まれて見事な色艶に輝いていました。

なんて美しいんだろうと思い、無性に桜皮の持ち手のバッグを作りたくなり、

早速、桜皮の持ち手を特注で依頼しました。

その当時、待つ事一年以上掛かってようやく納品されましたが、

桜皮の入手が困難でもうこれ以上は作れない、と追加のオーダーを断られてしまいました。

そして仕立てることが出来たのは、たった一つだけ。

その後、数年経って、もう一度金紅色の亮布のバッグを仕立てたくて無理を承知でオーダーしたところ、

もうこれで本当に最後、と、何とか特別に作って頂けた品です。

亮布を再び探して手に入れて、持ち手を特注して待つ事数年掛かり。。。

今回本当に最後の一点になりました。

(文字通り、何年も掛かって、やっともう一度仕上げることが出来たバッグですので、

 もしも売れ残ったら、もうすっかり自分のものにするつもりでいます。笑)

贅沢にたっぷりと亮布を使ったバッグを楽しんで頂ければと思います。

 

素材の一つ一つを吟味して仕立てたバッグです。

カジュアルにも和装にも合うスタイリッシュで上質なバッグです。

お出かけのお供に。

驚くほどの軽さです。折り畳んでも大丈夫。

旅行用のスーツケースやバッグの中に入れて、滞在先での優雅な街歩きのバッグとしても。

 

size : W40cm × H34cm( × マチ5cmを含む )

表布 :藍染め亮布(金紅色)

内布:藍染め亮布(濃藍)+水色の上布(古布)

ポケット:藍染め亮布(濃藍)

持ち手:桜皮を編んだ持ち手

 


 
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