nazuna ニッキ 2020年 2月 如月

 

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28.如月(FRI) 晴れ

ずっと探していた本が、この半月の間に次々と見つかって、

手に入るなんてことがあるとは。。。

あまりに嬉しくて、その夜は眠れなくなったくらい。

 

届いた幾つかの本。

汚したくなくて、表紙カバーにビニールを掛けて、

作品集や手漉き紙を使った豪華本のページをめくるときには、白手袋をつける。

こんなに心高鳴るほどに嬉しくなる本なんてこれまで無かった。。。

大事に大事に扱っていきたい。

 

パンパンになっている本棚に、この本を仕舞うスペースを空けるために、

本や雑誌を処分することだって全然構わない。

手漉き紙の本は紙の手触りも、色も、印刷された文字も、図版も、

すべてが夢のように美しい。

ずっと欲しかった画家の作品集は、

一日一頁ずつくらいのペースでゆっくり眺めたい。

 

・・・・あっ、早く眼鏡を見つけなくちゃ!


27.如月(THU) 晴れ

彫刻刀で時々指を怪我するので、アルコール消毒液は必需。

消毒しないでそのまま放っておいて、指がパンパンに腫れたこともある。。。

小さな刃先や針での傷も怖いことになるので侮れない。

薬局に買いに行ったら、コロナウイルス騒動でどこも品切れ。

オキシドールしかない。

オキシドールはシュワシュワして傷のある皮膚の表面が白く固くなるからアルコールの方がいい。

この間、掃除と保存瓶の消毒にエタノールを使ってしまったのを今更ながらに悔やむ〜〜。

やっと一軒、小さいサイズのアルコール消毒を一つだけ買えたけど、

「もうしばらくは手に入らないと思って下さい」って。

「製造元から生産が間に合わないから、もう発注しないでくれって言われてるんです。」って。。。

「3月中にこういう状態から改善されればいんですけど」と言われて、トボトボ帰ってきた。

なんか、色んなものがこういう一時的なパニックで買い占め、買いだめされたらたまらない。

今後もまともな情報が行渡らないと、無駄な買い占めが起きてくる。

香港のトイレットペーパーに殺到する人達とか。

 

3.11のときに、

放射能汚染のことで真実を伝えたら国民はパニックになるから言えないとか言ってたけど、

その時、もうそんなに国民だってバカじゃないんだから、

ちゃんと真実を教えてほしいと思ってた。

けど。。。(苦笑)

デマに振り回されてパニックの買い占めに走るんだったら、

ほらね、やっぱり、もう何も言えないってことになるよね。。。

 

テレビやメディアも、有益な情報というよりは、不安を煽ることしか放送してないような感じだし。。。

そういうので不安が高まった人達がどんどん極端な行動に出るのが怖いし困る。

少しでも有効な薬が使えるようになったらいいなと願うばかり。。。


25.如月(TUE) くもり

パンを焼く。

オーブンの温度が安定してきて、大体250度ほどに上がってくれるようになった。

ハード系パンを焼くのはせめて250度にはならないと。

ベルムーランにセーグル粉を少し混ぜる。

セーグル粉はフランス産のライ麦粉。

ライ麦パン独特の酸味がちょっと苦手だけど、セーグル粉は殆ど酸味がない。

なので、豊かな風味を味わいをもたらしてくれる調味料な感じ。

 

普通の強力粉(ベルムーラン)400gとセーグル粉100gで作る。

あとはいつものレシピ通り。

サフイースト3g

天塩10g

モルトパウダー1g

水(ぬるま湯)353g(ここではグラムで計る)

水分はちょっと多め。

だから、焼き上がりはパリっとして中身はフンワリ。

で、一晩置いてからでも、霧吹きしてからトーストすると、もう完全にフランスパンになる。

もしかしたら、一晩置いたパンがまさにハード系パンになる。

そういう二度楽しめるレシピになっている。

 

今日はクルミをローストして生地にミキシングして焼いた。

セーグルはクルミと相性バツグン。クルミ、レーズン、イチジクが最高に美味しい。

自家製パン、噛み締める幸せ。


20.如月(THU) くもり

先日、博物館をぐるぐる廻って歩いたせいか、もうずっと足首が痛くて歩けないほどに。。。

完治まで長く掛ると聞いてはいたけど、こうまで引きずるとは思っていなかった。

ちょっと出かけると、その後数日歩けない感じになってしまって、もどかしい。

 

作業用に使っているリーディンググラス、

ツルの部分が折れてしまったので買い換えに行ったら、

店の中が暗かったせいか、これまでの度数がちゃんと見えづらく感じてしまい、

一段強いものを選んでしまったようで。。。

ちょっと掛けているともう目が痛くて。たぶん、度数が合ってないから頭痛もする。

思うように作業も出来ず、また読書も出来ずで、

眼鏡がないともう快適に生活できなくなっているという事実にも愕然。。。

これまで人生で視力に困ったことが無かったおかげで、

今になって眼鏡選びというものが全く分からず、

どういうものが良くて、何を選べばいいのか。。。

もう、本当に困ったモンです。

 

眼科に掛ったのは幼稚園の時が一度きり。

鉄棒からまっさかさまに落ちて頭を打って、白眼が全部内出血で真っ赤になり。。。(苦笑)

思い出せる限り、その時以来眼科にはかかったことがない。

視力検査も学校でのみ。そして両目とも長年2.0で問題なしでやってきて。。。

 

年齢的に近距離がだんだん見え難くなって、

おととし眼科に行って視力検査してもらったのが10代以来。。。

眼鏡の処方せんをお願いすると、

「視力は近距離以外は何も問題ないから、一番弱い度数のをどこで売ってる眼鏡でもいいから」って

ちゃんとした眼鏡が欲しいって言っても、

今後度数が変わっていくだろうから、雑貨屋さんの眼鏡でもいいのよ。って。。。

雑貨屋さんの眼鏡は安くて見た目がお洒落だけど歪んで見える。(笑)

だから、瞳孔間距離とか眼の幅とか色々計って欲しかったのに、何もないんだもの。。。(悲)

あれこれ試して、眼鏡ジプシーになってしまいそう。

とにかく、縫い物は眼鏡を新調するまでほぼほぼできない状態なのがつらい。

早く合うのを決めないといかん。トホホ。


15.如月(SAT) くもり

上野の東京国立博物館へ、出雲と大和展を観に行く。

神社系は御神体がお山だったり、すべてを新しくして、清め祓うという儀式的なものもあるので、

古いものが少ないからなのか、どうなのか、

お寺関連、仏像系の展覧会よりも、いつも何となく空いている感じは否めない。

でも、縄文、古墳、大和、出雲好きな私たちにとっては必見の展覧会。

逆に空いていて良かった。ゆっくり見られる。

正門を入ったらお出迎えのメタセコイア。本当にまっすぐ、なんだなあ。

メタセコイアの化石を発見されたのは大阪の博士。

そこから、中国雲南省で実物がまだ存在しているのが分かって、日本にも株分けされて、

こんなに日本全国で拡がっている。

生きた化石。

普通の松ぼっくりの半分以下の大きさのものから、こんなに巨木に成長するなんて。

種って偉大、そして不思議で可愛い。

フルーツよりもナッツ大好きな私。

果肉よりも種派なのね。。。

紅梅と白梅。

けぶるように咲き誇る白梅。

桜は花の香りが遠くからではあまり感じないけど、

梅の香は辺り一面に漂い、華やかな気配で満たしてくれる。。。

初春のお楽しみ。

縄文系、アイヌ系、琉球系、日本の土着の民と、

大陸からやってきて国を築いた弥生系の”大和”。

”出雲”は土着の民の総領だったのかな。。。

自分の歯の形で弥生系か縄文系かが分かるらしい。

私は目がグリグリして目鼻立ちがハッキリしているせいか、沖縄出身?と言われたりすることもあったので、

自分はきっと土着の縄文系だろうなあと思っていたら、

歯のカタチで見ると、意外にも弥生系らしいことが判明。

縄文系の歯は四角で、弥生&大陸系の歯は丸みがあるんだそう。

見た目がどうというより、関西出身なので弥生系なんだかなあ。。。

逆にダンナさんは関東方面の血筋。

そして歯のカタチで分類すると縄文系となった。

でも、見た目はシュッとしてるのでイメージは弥生っぽいんだけど。

そういう意味で反対だと思ってたのが面白い。(笑)

弥生ルーツなワタシだけど、縄文時代が大好きなのですよ。。。

 

加茂岩倉遺跡の銅鐸が大量に発見された様子を再現したコーナー。

工事現場で掘り出されたとき、工事作業員が「ポリバケツがいっぱいある」と思ったっていうのが可笑しい。

確かにそう見えなくもない。(笑)

本来埋められていたはずの場所から動かされて埋められていたのだそう。

銅鐸はいまもどういう目的で作られて使われていたかは定かではないらしい。

神社の本殿にある鈴のように、

鳴らす、振るわせることで宗教的な意味があったんだろうか。

埋めるというのは、地鎮祭のようなものもあったのかな。

遺跡や発掘品は、色々な想像を廻らせることが出来て、太古のロマンを感じるなあーー。。。

 

法隆寺の焼失してしまった講堂にあった壁画。

写真に納められていたものを、現代の科学技術で復元していく取り組みも。。。

飛鳥時代の衣裳や髪の髷など見ても、その後の日本とは大きく違っている。

玉虫厨子や飛鳥時代の仏像や天女の幽玄的な美しさ。

一番、好きな時代かも。。。

平安時代も宮廷文化が後世に絢爛に伝えられていて華やかだけど、

人間の暗い部分も露になっていて、おどろおどろしいところもある。。。

飛鳥時代は新しく入ってきた仏教の思想や朝鮮半島の新しく素晴らしい技術も入ってきて、

文化、思想、政に活気があって、何か人間の本質と理想への憧れなど向上心に溢れているような気配もある。

古代には卑弥呼、そしてこの時代には推古天皇など、女性が帝になっていた時代というのもいいなあ。。。

 

おどろおどろしい世界も生まれた平安時代だけど、

文学乙女(?)の台頭もあり、源氏物語に登場する女たちは個性豊か。

同じく平安の物語「堤中納言物語」に収録されている「蟲愛づる姫君」に

登場する姫の自由で大らかなことといったら!

虫を可愛がり、当時の女性のたしなみとされた眉毛を抜いたり、お歯黒する慣例も無視して、

「眉毛も毛虫のよう」とあるけれど、きっと美しい姫だったろうな、と想像してみたり。。。

相手の殿方と対等にやりとりし、自由な物言いの姫君と、

男達も物語の中で女性の地位を下に見たり、女はこうするものだと上から断じたりすることもなく、

存在をそのまま受け入れている描かれ方が新鮮に感じる。

 

女性が大らかに、自由に物事を感じて、言葉を発して生きていられた時代というのは、

日本も世界も、宗教や思想がガチガチに固まってしまうまでなのかなあ。。。

 

レトロな東博の本館。

観光客も少し少なめなので、ゆったりと過ごせるのもいい。。。

本館入って左の展示室の仏像彫刻のコーナーとアイヌのコーナーが好き。

でも、東博はさすが東京の国立博物館というだけあって、

展示物が本当に豊富。

ずっと見たかった室生寺の仏像も期間限定で勢ぞろいだし。。。

(こちらのお不動さんは室生寺所蔵じゃないです。。。)

 

京都の博物館は展示室の規模や展示品も少ないけれど、

さすが、神社仏閣のお膝元といった感じで、

展示されている仏像の演出がすごくいいのです。。。

照明とか展示間隔とか観覧スペースとか、展示品が非常に素敵に感じるのです。

仏像を眺めるなら京博だな、と思いましたもん。。。

東博はこう言っちゃあ何ですが、黒バックに台の上に並べて、ただ陳列してあるだけ、というか。。。

展示品が豊富というので安心せず、

「おおっ!!なんと見事な!!」と息を呑むような(?)雰囲気を演出もしてほしいものですよ。。。

あっ、それから。

京博のマスコットキャラ、トラリンが可愛いしーー。

・・・・奈良博はずいぶん行ってないなーー。行きたいなあ。

 

古墳クリップ。これは見た瞬間に買いだなと思いましたもん。

縄文クリップ(遮光式土偶の)も持ってます。


12.如月(WED) 晴れ

薺nazunaをオープンして間もなく、

熊本の瓢古庵さんにオーダーして作って貰った花手箱。

平家の落人の里として有名な人吉の、

手仕事の品、花手箱を考案されて制作されていた瓢古庵さん。

その後、花手箱は型押しに均一に塗られたものが大量に生産されていったみたいだけど、

瓢古庵さんは一筆一筆、丹念に描いて作ってくださって。

熊本の民芸としてサイトに連絡先が書かれていたので、まずはお手紙で注文したい旨を伝えて、

注文方法や支払い方法など尋ねたら、

あっさりと電話が掛ってきて、気さくにオーダーに応じてくださった。

『ナズナ』の柄を注文したら、

「季節はずれだったので図書館の植物図鑑をスケッチしたけど、それでもいいですか?」って。

見事にナズナを描いてくださって、手元に届いたのを見たとき、どんなに感激したことか。。。

 

  

 

その後、椿の花手箱もオーダーして作って貰った。

 

瓢古庵さんとはしばらく年賀状のやりとりをさせて頂いたけれど、

あるとき、宛先不明で葉書が戻ってきて、何度出しても戻ってきてしまっていたので移転されたかもしれない。。。

それからずいぶん経って、熊本で大震災もあったので消息を調べようとしたけれど、

ついに分からないままになってしまった。。。

今もお元気にされているといいなと思うけれど。。。

 

夏の間は絵の具が乾かないから作らない、と。

木を切って、箱を作るところから手づくりされて。

花の絵柄などは基本実物を見て、写生してから絵付けに入る。

こんなに手間のかかる手仕事を手に出来て、良かったなあと今も思う。

15年近く愛用して、白木の色がだんだん飴色になってきて、

良い艶もでて、なんとも言えない風情になってきた。

椿の箱は、アクセサリー入れに。

ナズナの箱は、裁縫道具を入れて、毎日愛用している。

 

実は量産ものの花手箱も持っている。。。

上京して間も無い頃、たしか九州のお土産で頂いたもの。

それが”花手箱”との最初の出会い。

その後、ふと、裁縫箱用に小さいサイズが欲しくなり、

”花手箱”という民芸の品を調べていて、最初の考案者である”瓢古庵”さんを知ったといういきさつ。。。

量産ものも、それなりに可愛いけれど、

やっぱり瓢古庵さんの手描きの箱にはかなわない。

瓢古庵の手描きの箱は、私の大事な宝物です。。。


11.如月(TUE) 晴れ

おしなものに新しいアイテムをアップしました。

お時間ございましたら、是非覗いてみてください。

なずな

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バレンタインデーは我が家はもっぱら和菓子です。

そういう話しをしていたら、すぐにも食べたくなってしまい、和菓子を買いに『玉川屋』へテクテクと。

 

丁度、桜餅の出始めの頃。

”桜餅”といったら関西ではもっぱら”道明寺”が普通。

でも、こっちで”桜餅”といったら、これなんです。

私はなんといっても道明寺派なので、あまりこの桜餅を食べることはないのですが、

まだ道明寺は出してないと言われて、仕方が無く。。。

でも、久しぶりに食べてみたら、美味しかった!

薄皮がモチモチしてて、餡の味、桜の葉の塩気も絶妙で。

色んなお店の、このタイプの桜餅を少なからずも食べてきたけど、

大抵、乾いてるというか、粉っぽい感じであまり好きではなかったけど、

『玉川屋』さんのはモチモチしてて美味しかった。

また一つ好きなものが増えました。

 

和菓子に蓮茶。

緑茶はお腹がキューっと痛くなるけど蓮茶は意外にそうでもない。

緑茶がセオリーな場面ではもっぱら我が家では蓮茶です。

 

台湾茶器の小さな急須に、たっぷりの蓮の茶葉を入れて小さな器で飲むと、

本当にお茶はアロマだなあ、と感嘆するほど、心地よい一息がつけます。

 

台湾茶器の茶壷(急須)は持っていても、他の道具などのセットは持ってない、

でも、様々なものを寄せ集めにして使うので充分。

祖父母が使っていた松の木のくり抜き盆(水に強い)に、

19世紀にアメリカで使われていたピューターの粥入れ(ポリンガーという)に茶壷を載せて。

茶海がないので、煎茶器を茶海の片口代わりにして。

茶漉しはインドのアンティークの銅のティーストレイナー。

湯のみは骨董の蕎麦猪口と江戸時代の煎茶碗。

どれも寄せ集めの日用使いのものばかりだけど、そういうお気に入りの寄せ集めが好き。

スプーンもお皿もカップも一つずつお気に入りを集めたい。。。

 

前に、デパートで手づくりの木のスプーンを制作販売していたところに遭遇して、

その中から気に入ったのを「1本下さい」と言ったら、

変な顔をされて「一つ?たったの一つ?」って。(苦笑)

日本は五つ一組なんだろうけど、そんなに沢山同じものを欲しく無い。(笑)

好きなものを少しずつ、使える分だけでいいなあと思っている。

 

和菓子屋さんからの帰り道、夕暮れには早くて、

うっすらと霞みの向こうに富士山の姿。

春は空が煙ってくるので見えなくなるね。。。


10.如月(MON) 晴れ

アイテム制作の大詰めで、

かぶせの部分の布に傷みを発見して、お蔵入りした蛇腹式小物入れ。

目立たない傷みだけど、使っているうちにすぐに破れてしまったら大変。。。

なので、これはお蔵入り。

 

この網代文様の染めや織り布がどうも大好きで、

よく登場させてしまう。

表も内布も網代編み文様なので、留め具も網代文様を彫ました。

 

花柄とか可愛らしい柄よりか、こうした江戸っぽい文様がなんだか好きで。

男っぽいといったら男っぽい。

なので、男性向きともいえるけど、女性がこうした渋めの小物をサっと手にしていると、

『粋な姐さん』的な風情が醸し出されて素敵だなと思うワケで。。。

渋めの見た目に、裏地は華やかで艶やかなのが江戸っぽい。。。

そういう時に持ちたいのが、薺nazunaの小物入れだなあと思って、ひたすら作っている。

木綿の中形の型染め。

なんてことのない襦袢や日常着にも、昔の人の手仕事は繊細で手抜きなど一切なし。

せっかく作ったのにお蔵入りは忍びないので、ニッキの上でお披露目です。。。


09.如月(SUN) 晴れ

晴れた日に浮かび上がる日の丸自動車学校のオブジェ。

通常は赤い玉だけど、東京でのオリンピックが決ってからこんな感じで応援してくれているのね。

五輪開幕頃はどんな感じになっているのかな、東京は。。。

 

そして今日もパンを焼く。

1週間に一度、500gの粉を生地に仕込んで冷蔵庫で寝かせ、

二日経ってから焼きはじめる。

一日二本のフランスパンを焼く。小ぶりなサイズだから、一人1本ずつ食べる。

今日は昔懐かしい感じのソーセージドックにしてみた。

ケチャップが懐かしの調理パンな感じだけど、パンが美味しいからちょっと一味違う。(笑)

自分で作ったパンが無い日はちょっと物足りないくらい。


08.如月(THU) 晴れのちくもり

ずいぶん前に編んだアローのストール。

ダンナさんが編んだものだけど、主に私が使っている。

絹やウールや木綿のストールもあるけれど、

極細の糸を手編みしたストールがなんだか心地よい。

ぴっちり織り上がった布帛のストールも良いけれど、

ゆるいながらも細やかな編み目が、たっぷり空気をはらむので、

温かさが倍増しているからなのかも。。。

手編みのマフラーやストールが暖かいのはそういうことなんだなあ。。。

細い糸なので「手編みで使う」と言ったとき、売り手の方は驚かれたけれど、

細い糸で編んであるのが一層、空気の層ができるのかも。。。

 

そう、薺nazunaを始めて間も無い頃、アローの手紡ぎ糸に出会ったんだっけ。

織り糸として紹介されたけど、私は布を織らないけど何かこの糸で作ってみたい!

そう思って、カセのまま購入して、まず手作業で巻取って玉にするところから。

これが本当に大変だった。

通常だったら器具を使ってカセから玉にするんだけど、それがないので椅子の背にカセを引っ掛けて、

毛糸を玉に取っていく要領で延々、延々。。。何日もかかって玉に巻取っていったっけ。

玉にしてから、今度は編む作業。

細い手紡ぎ糸を棒針編みでひたすら編む。

単純な編み地だけど、ひたすら編んでストールにしてみた。

出来上がったストールはちょっとゴワっとする感じなんだけど、

身につけてみると案外身体に馴染んでくる。

何より、自然のままの糸の色の濃淡も良かった。

 

そんなアローのマフラーのことをニッキに書いたら、「もし販売されるなら、是非欲しい」というメールを戴いて。

じゃあアイテムとして作ってみよう、とその後、幾つかせっせと編んで作った。

最初は手紡ぎ糸だったアローも、だんだん機械で紡績されたものしか手に入らなくなって、

機械紡績の糸はアローの繊維が痩せてしまっていて、あの豊かなフワフワとした繊維が柔らかな糸ではなくなっていて。

カセから玉にする作業で巻取る度にブツブツ切れてしまう。

幾つもの結び目が連なる糸になってしまい、作るのを諦めざるを得なかった。

手紡ぎされた糸が手に入ったらまた編もう、と。。。

それから、もう随分と編んでない。

 

昔に編んだアローのストールを、ずっと長く愛用されてる方が「身体の一部です」とおっしゃって下さった意味が、

自分も(ダンナさんのストールを奪って。笑)身に付けていると本当にその心地よさを実感してしまう。

やんわりと編んだ素朴なストールだけど、どこにも無いものだと思っている。

冬は本当に重宝しています。。。


06.如月(THU) くもり

小麦粉ベルムーランのみで生地を仕込んだのを焼いてみた。

パリパリ、フワッッフワ、そしてモッチモチ。

セーグル粉が入ると、フランスの田舎パンだけど、

ベルムーランだけのパンは”ハイジの白パン”っぽい。

バターとチーズがよく合うパン。

柔らかなハムを挟んでも美味しいパン。

今日の晩ごはんはグラタンを作った。

グラタンに自家製パン。

薄力粉と同量のバターを炒めてミルクを注いで作るベシャメルソース。

太めで大きめのショートパスタを合わせるとソースがからんで美味しい。

やっぱり鶏もも肉がグラタンにはよく合う。

小学校の家庭科のときに習ったレシピは大人になっても大活躍。

レストランのグラタンよりも、断然ウチのグラタンが美味しいと私もダンナさんも意見は一致。

仕上げにかけるパルミジャーノチーズのスライスしたのが美味しさの決め手かな。

グラタンにはフランス産のがいいんだろうけど、我が家はなんといってもパルミジャーノ派。

ブルーチーズも入ればもうサイコー。


02.如月(SUN) 晴れ

お天気は良くても、二月は冬の気配がひしひしと感じる。

でも、例年よりも断然暖かく、雪もないのが嬉しい。

子供の頃から冬の木々を眺めるのがなんとなく好きだった。

枝々の繊細なレースのように、空に透けているのが何ともいえない。

冬の空の灰色を背景にした黒々とした木の幹の色が好きで、よく絵を描いた。

冬の景色を描いた絵画や写真を見ると、今も惹かれてしまう。

 

好きな風景の中には必ず木が必要で、

生まれ故郷も今の暮らしも都会のど真ん中で、それほど樹と密接ではなかったのに、

樹木があるだけで何か心地よいものを感じているんだと思う。

 

家の近くの公園も木々で囲まれているけれど、

そこは秋になると区の公園管理係が落ち葉の掃除をするのを嫌がってか、

役所に依頼された作業員らがトラックで乗りつけてきて、

無情にもバッサリと太い枝ごとチェーンソーで刈っていってしまう。

そこに巣を作っていた鳥たちの大騒ぎも知ったこっちゃないと言わんばかりに。。。

 

まだ10年くらい前までは、毎日公園を掃除してくれる高齢の人達が通ってきていて、

丁寧に落ち葉を掃き集めて、ゴミ箱や雑草も丁寧に手入れをしてくれていた。

その頃はまだ公園には大きなケヤキの大木があって、それが季節を通してなんとも言えない風情を醸し出していた。

緑の葉が作る影や、高原で棲息しているような野鳥がたくさん遊びに来たり、

木の根っこにキノコが生まれたり、とても都会の公園とは思えないような癒しの空間になっていた。

 

けれど、公園で大規模工事が行なわれることになって、ケヤキや柿の木、銀杏などの木々達は、

掘り出されて運ばれていったっきり、数年に渉る工事が終わってからもついに帰って来なかった。。。

 

この界隈の坂の下にある国の施設が大雨の浸水被害が出るということで、

大規模な下水道工事が行なわれることになって、土砂を運び出すダンプカーが出入りするために、

ずいぶん離れた場所にあるこの公園に巨大なトンネル開口部が設けられたんだけど、

豊かな土に覆われていた公園は下が固い(たぶんアスファルト)ところに砂を撒いた感じの、

学校の校庭のような地面の公園になった。

樹木が豊富で土と緑に覆われた公園は運動場に変わって、

界隈の子供達も毎日元気いっぱい走り廻って遊んでるんだけど、

土も樹も豊富な公園が良かったなあ、と思っている。

災害時の避難場所に設定されたので、そういうことは分かっているけれども。。。

 

あの清清しい声で鳴く小鳥たちが来ないのは、ケヤキの大木が無くなったからなんだろうなあ。

豊かな土のままの公園って、郊外や地方に行けばそんなのいくらでもあるんだろうけど、

都内の都心部にはもう殆ど残ってないから、本当に貴重だと思うけどもね。。。

 

御正月飾りの中にあったネコヤナギ。

芽をつけているので捨てるに忍びなくて、ガラス瓶に入れておいたら、

どんどん猫のシッポが顔を出してきた。可愛いー。


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