nazuna ニッキ 2019年 11月 霜月
30.霜月 (SAT) 晴れ
ほんのちょっと前まで一向に秋の気配がなかったのに、
急に晩秋になってきた。
猛暑のあとの台風の大騒ぎで秋の時期が終わってしまい、
急に植物たちは冬支度に忙しい。
夏は桜でにぎわう川沿いの道も、静かなたたずまい。
もうすぐしたら渡り鳥たちがやってくるね。
しばらくぶりに洋生菓子なるものを食す。。。
私はチョコレート派。ダンナさんはショート派。
やっぱりなんだかんだいっても、日本のスイーツは世界一なんじゃないかなと思う。
スポンジのきめの細かさとか、この甘さ加減の品の良いことといったら。。。
時々、こういう洋生菓子を食べたくなるけど、
最近はカフェはもちろん、近所のデパートでさえ
日持ちのしない生クリームのスイーツを扱う店が無くなってきた。
世の中もヘルシー&ダイエットブームだし、
特にそういうのをあまり気にしているわけでもないからなのか、
街歩きで出会ったレトロな喫茶店で、
ショーケースに洋生菓子を何種類も置いてあるところを見つけると、なんだか感激してしまう。
そうはいっても、生クリームのスイーツなんて年に数回食べれば良い方。
だから、そうしょっちゅう食べている訳じゃないけども、
そういうお店、近所にもあればいいなあと常々思っている。。。
あったら、月1か月2で通っちゃうかも?
27.霜月 (WED) 雨
大阪人はやはり粉モノを食べないと元気が出ないのかも。
長芋があったので、晩ご飯はお好み焼きに決定。
粉と水は1:1。
薄力粉が焼菓子専用のエリクチュールしかなかったので、それで作る。なんという贅沢なお好み!
二人分で小麦粉1カップ、だし汁1カップ(昆布&かつおだしに鶏ガラスープも入れると美味しい!)
だしは濃い目に作ること。
だしが薄くて水っぽかったり、ましてや水だけで溶いたりなんかしたら、もう絶対まずくなる。
旨味成分たっぷりの生地にするのが成功の秘訣。
この粉と水分をよおーく混ぜる。
一時間以上寝かせておくといい。夏場は長時間寝かせるときは冷蔵庫でね。。。
長芋(本当はゴロっとした形の粘り気のあるじねんじょがいい。。。)をすりおろして100gくらい。
卵を二個入れてかき混ぜる。
これでベースの生地が完成。
そして焼く前に桜海老をたっぷり入れて混ぜておく。
あとで乗せる具は、
豚バラのスライス(ちょい厚めが大阪風)、
キャベツのみじん切り、明太子、餅をサイコロに切ったもの、天かす、花かつお。
イカを入れたかったけど、最近なんだかあまり見掛けなくなった。
お好みやヤキソバにはイカは必需だっていうのに。。。
小さめのボウルに生地をお玉一杯分と、そこにやはり同量ほどのキャベツを加えて、
空気を入れ混むようにふわふわっと下から持ち上げるようにして軽く混ぜる。
そして、よく熱して油を引いたホットプレート(もしくは鉄板)に、生地を載せて焼く。
均等な厚みになるように手早く広げて、上記の具をバランス良く乗せていく。
豚バラは一番上に載せること。しばらく焼いたらひっくり返して肉の面を焼く。
豚の脂が出てくるので、よおく焼けたらまたひっくり返す。
サイコロ状の餅もトロっとしてくる。これが明太子と合わさって美味しいのよね。
大阪では明太子&お餅というトッピングを食べたことがなかったけど、
もんじゃ焼きの東京スタイルを取り入れてみた。。。
お好みソースとマヨネをちゃちゃっと掛けて。
熱々、表面はこんがり、中はふわふわサクサク!
子供の頃から何度も作っているうちに、結構イイ感じのお好みが作れるようになった。
大阪ではお店で食べるけど、東京だと妙に高級なものになっているし、
美味しい!と思うところに出会えなかったので、家で作って食べるのがいい。
ダンナさんも、お好みを外に食べに行こうとはもう思わない、と言っているのでヨカッタ。
25.霜月 (MON) 晴れのちよる雨
外を見てみると、霧で覆われた世界になっていて驚き。。。
昔、割と海に近い街に住んでいたとき、霧は結構よく出現していた。
30cm先がもう何も見えないくらいの朝も仕事へ出かけるために駅まで自転車に乗っていた。
今、考えるとこわいなあ。。。
あまり人通りも少ない郊外だったので大丈夫だったんだけど。
都会の霧はすぐに晴れる。。。
24.霜月 (SUN) 雨
留め具を彫る。
シンプルなカタチのと、動物を彫るのが結構楽しい。
来年はねずみ年。
干支をモチーフに留め具を彫る。どんなのが出来るかな。
20.霜月 (WED) くもり
今年の酉の市は二の酉まで。
今年は外国人観光客が多い感じ。
こういう風物詩はやっぱりいいなあ。
酉の市がくると、もう年の瀬が近いと感じる。
そして何だかソワソワした気持ちにもなる。
船着き場跡の野鳥サンクチュアリで和みつつ、
玉川屋で買ったみたらし団子を横食いする。
和菓子屋さんのちゃんとしたみたらし団子は、
炙った焦げ目と甘じょっぱいタレがからんで美味なる駄菓子。
でも、大阪出身のワタシは、京都・三条の”みよしや”の甘めのみたらし団子が恋しくなる。
東と西はタレの味が全然違うね。
鴨の集団、殆どが派手な羽色の男子ばかり。
この内の二羽だけ女子鴨。
ファミリーなのかな。
ふわふわの鴨のおしりが可愛い。
いつもの玉川屋の和菓子。
”栗しぐれ”の周りの生地は栗の花に見立ててあるのかな。
ふわふわが美味、美味。
15.霜月 (FRI) 晴れ
義父の庭には全然と言っていいほど雑草が生えてない。
樹木の背丈もはしごを登らなくても届く高さにいつも剪定されている。
すごいなあ、といつも思う。。。
近所に小さな森林があるので、庭に可愛い小鳥たちがやってきて巣を作ったみたい。
ひそかに隠れるように咲く秋の野花。
帰りの駅の売店で買うのは鰺の押し寿司か、シュウマイか。。。
今日はシュウマイに決定。
08.霜月 (FRI) くもり
東博の正倉院展後期を見にいく。
前期のときは一時間以上も外で列に並んで、
内部も超満員だったけど、
今回は10分もたたずに中に入れてよかった。
布ものは女性に圧倒的な人気。
みんな、食い入るように見学。
”残欠”と称された切れ端の布。
織り、手描き染め、ろうけつ染めや板絞りなど、
8世紀に作られた筈のものなのに、現代のものよりも緻密で洗練されているという印象まで受ける。
古代に美術、芸術の技術がもう完成されてしまっている。
若い頃、イタリアやフランスで間近に西洋美術を見たときに、
ギリシャ文明で既に完成されてしまったものを、
その後の時代を経て、どうアレンジしていったかというような感じがする、
という感想を持ったことがある。
現代の美術や芸術への少々不遜な感想だったかもしれないけれど。
けれどもそれは同時に『美しいものとは何か』と、
先人の仕事を超えようと切磋琢磨していく美の追求者の仕事を、
観させて貰っている喜びでもあると思う。
今回後期で公開された『紫檀木画槽琵琶』は、
前期で公開されたもの(螺鈿紫檀五絃琵琶)に比べると、華やかさに欠けるものの、
侘び錆びの美学の始まりは、奈良時代にはもうそこかしこに。
11月初旬、まだまだ紅葉していない上野公園。
平成館考古学コーナーの埴輪が猿から鶏にリニューアルされていた。
ユーモラスでかわいい埴輪。これを作った人のセンスが素敵。
博物館を出る頃には夕闇に包まれて。
さあ、もう家に帰ろう。。。
ちょいと遅めの晩御飯。
ゆうべ作ったホワイトシチューのベシャメルソースが残っていたので、
ショートパスタを茹でて、パイディッシュでグラタンに早変わり。
自家製フランスパンもちょこんと添えて。
シチューやグラタンの季節になってきたね。
03.霜月 (SUN) くもりのち雨
子供の頃から着物に触れ、馴れ親しんでいたけれど、
大人になって、ふらりと入った骨董店で藍染め木綿の古布に出会って、
華やかで艶やかな絹ものとは全く違う、素朴な木綿や麻や古代布の世界を知って、
薺nazunaの屋号でものづくりを始めて15年。。。
時々、こんな珍しい布を私が切ってしまっていいんだろうか、と思うときがある。
やはり、どうしても切れない布がある。
でも、これでどうしても作りたいものがあるから!という熱意と情熱が勝つ時に、
思いきってハサミをいれさせてもらう。(笑)
逆に、そういう思いに駆られないときは、無理にハサミを入れない方がいいと思っている。
時々、思うように気に入った布が手に入らないことの方が多いので、
古布はやめて、新しい布をメインにものづくりをしようかと思うことも。。。
でも、そういうときに、
古い生成り木綿に糸でカンタ刺繍した小物入れを大いに喜んで頂いたり、
東北の希少な大麻布の小物入れや袋ものを心から喜んでいただけたりすると、
ああ、やっぱり良い布を少しずつでも見つけて、お届けしたいなと思うわけで。。。
自分が布を手に取って気に入るものはどうしても古布の方が多かったりするけれど、
最近、出会った国産のオーガニックコットンの布は、
糸にする行程も、生地を織る行程も、薬剤を一切使わずに、
糸切れしないようにゆっくりと織って制作されているもので。
高齢の職人さん御夫婦が自分たちの出来る範囲で、と地道に作られているもの。
そんな昔から今も変わらずに手仕事が繋いできている布や、
今の暮らしに合うように作られた現代の布も、
素晴らしいものが沢山あることに今更ながらに気付きもして。。。
薺nazunaを始めた当初は古布だけに限定していたこともあったけれど、
続けて行く中で、布のことなど沢山学ばせて頂いているうちに、
今も延々と紡がれて行く糸、織られている布の奥深さに、
何も知らずにいたんだなと感慨深いです。。。
そんな無知なワタシだけれど、変わらずにいたいのは、
自分の心がこれは良いものだなと思う布に出会って、丁寧に仕立てていくこと。。。
令和元年がもう少しで暮れようとしているけれど、
来年の15年目も薺nazunaを続けていけるように、
少しずつ、少しずつ、前進していきたいなと思います。。。
02.霜月 (SAT) 晴れ
昨日、怪我のあと、1ヶ月ぶりに電車に乗って街を歩いたせいか、
もう足首や膝や股関節や身体中がギシギシと痛くなって、
今日は起きあがれなくなってしまった。
出掛けた時は気が張っていたせいか、こんなにダメージが来てるとは。。。
早くリハビリしないと、本当に歩けなくなっちゃうよ、と内心焦り始めた。
けれども、今後も付き合っていかなくちゃいけないものだから、
ゆっくりゆっくり、やっていこう。。。
01.霜月 (FRI) 晴れ
正倉院展、通常はこの時期に本拠地の奈良で開催なので、なかなか見る事が出来なくて。
今年は天皇陛下の御即位記念で東京でも開催されると知って、ずっと楽しみにしていた。
上野の東京国立博物館へGO!
待ち時間が長いらしいので結構不安になるけど、
前期の展示がもうすぐ終わってしまうので、リハビリを兼ねて思いきって行ってみた。
案の定、長い行列が出来ていた。
待ち時間は70分というのが、今日のはまだ短いくらいなんだそうで。。。
100分待ちの時もあるらしい。
ひゃーー。。。。
館内の撮影は殆ど禁止。。。
復元された琵琶など数点のみ。
これが前期の一番人気の『螺鈿紫檀五絃琵琶」(写真のは復元作品です)
裏側の螺鈿が本当に細かくて美しい。
糸巻きのところや、側面も素晴らしい細工の数々。
会場にはかつてこの琵琶を弾いた際の音が静かに流れて。。。
岡野怜子の「陰陽師」の源博雅が羅生門で弾いたシーンを思い出すなあ。。。
天皇家に伝わる宝物の繊細な雅びな美しさは、
絶対的な美の中にどこか愛らしさが含まれていて、
それが何とも言えない気品や高貴さに溢れている。。。
正倉院レプリカだけど、ただならぬ気配さえ感じる佇まい。
こういう引き算の美、何でもない木造の倉に美しさや静謐さを感じるのは、
日本人の内に流れる共通の美学なのかも。。。
常設展も見学。
丁度、日本全国にある仏像や神像の修復の展示が行なわれていた。
何故か、制作された後の修復の際に、ド派手な彩色が施されているものが少なく無い。
インドっぽいといえばインドっぽいけど。。。
色を落として貰って良かったね、というのは殆ど。
優美な御姿に戻って良かった。。。
ベンチに何度も腰掛けては休むのを繰り返して、ゆっくりゆっくり見学していたら、
博物館を出たときには、もうすっかり夜になっていた。
丁度、灯りのイベントが上野公園で行なわれているので、その一環で博物館もライトアップ。
紅葉に見せた真っ赤なライトがちょっと赤すぎるね。(苦笑)
さあ、もう帰ろう。。。
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