nazuna ニッキ 2018年 11月 霜月

 

 

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28. 霜月(WED) 晴れ

箱根湯本の博物館&紅葉を観に、GO!

 

新宿から特急ロマンスカーで箱根湯本へ。

登山鉄道に乗り換えて、小田原方面へ一駅隣の駅『入生田』へ。

駅からすぐの場所にある、地球博物館へ。

展示数がかなり多いと言うので、一度行ってみたかった。

紅葉シーズンと抱合せて、この日に決定。

箱根山の紅葉は遠景に眺めても美しいので、博物館メインのスケジュール。(喜)

こんなに立派な博物館があるなんてね。。。

裏手には自然が拡がるロケーション。

山の上には”一夜城”という古城趾があるらしいので、行ってみようと川を渡ったはいいけれど、

あまりの急峻な坂道が続いて行く様子に、あっという間に断念。。。

箱根の山は険しいので有名だったし。。。

と、博物館裏の空き地のススキを眺める。

空き地を歩いていて、足が物凄くチクチクすると思ったら、

何か植物の種なのか、ハリネズミの棘みたいなものが足首に無数に刺さっていてビックリ。

必死で抜く羽目に。。。

植物も命をつなげようと必死だな。。。それにしても痛い。。。

入り口のイチョウの木の見事なこと。

そして黄色と青空のコントラストの美しさを堪能。。。

 

そして紅葉とヒグマ。。。

博物館エントランスでお出迎えのヒグマの迫力!

出合い頭に会いたくないね。。。

 

アンモナイトの壁に圧倒される。

うずうずのアンモナイト、ちょっと観ていてコワイときもある。

なんせ、私はカタツムリ系が大の苦手。

生きて動いている貝類もちょっと怖い。

でも、冷静に観ていると、何と自然の造型の優美なことか。。。

 

動物達が繁栄する時代の展示コーナー。

オオカミにロックオンされてしまったよ。

ついついモフモフ系を見かけると、「カワイイ、カワイイ」と連発しているワタシ。あぶない。。。

 

恐竜たちがワンサカお目見え。

こんな風に骨格標本が吊るされているのはレプリカの証し。

本物だったら”化石”なわけなので、恐竜クラスの大きな石は当然重いから、こんな風には吊せない。

吊るしたり、展示したりするには鉄骨補強が必要。。。

触れないホンモノよりも触れて身近に感じるレプリカの展示が子供たちに人気なのかな。。。

大きくなって本物が観たくなったら、そういう博物館へ行けばいいね。

 

東南アジア(マレーシア)のマメ科の巨大な樹の展示。

根っこを真下から見ることができる。

マメ科の樹がこんなに巨大になるのなら、”ジャックと豆の木”もちゃんと基づいての設定なんだ。

 

コワイもの見たさのラフレシア。

ぶどうの木に寄生して花が咲く。

花は異臭が物凄くて虫をおびき寄せて受粉に一役買わせるんだとか。。。

ジャングルで見つけたら、大騒ぎしてしまいそうな迫力。

子供の頃、こういうの、食人植物とかってお話に出てたっけ。。。

 

夜空を舞う鳥たち。。。

剥製の造型がよく出来てる。

躍動感もあるし、モフモフ感も忠実に再現されている。。。

 

一角にある昆虫標本のコーナーは子供たちの悲鳴や笑い声でいっぱい。

ジャングルはこんな巨大な昆虫でいっぱいなんだと思うと、

そこへわざわざ行ってみたいなんて絶対思えない。。。

昆虫というより怪獣にしか見えないもん!!!

ニッキには綺麗なものしか御紹介できません。

でも、怪獣だろうと、蝶やコガネムシに限らず、本当に標本の出来栄の美しいこと!

1ケースを完成させたときの達成感とか凄いのだろうなあ、と想像してしまう。。。

まさに芸術家。。。

 

朝、ロマンスカーでお弁当を食べたせいか、全然お腹が空いてなかったので、

博物館へ直行してしまったけど、

長いこと見学しているうちに、お腹がすいてきた。

館内にレストランがあるので行ってみた。

近くの漁港で朝採れの魚を使っているという話し。。。

やっぱり小田原といえば、アジなんだし。

迷うことなく、かねてから食べたかったアジフライに決める。

ダンナさんはアジの焼き魚の小田原膳という定食に決定。かまぼこもついている。

博物館のレストランだし、とあなどるなかれ。。。

アジフライも焼き魚も美味、美味。

ふっくら肉厚のアジが熱々のサックサクの揚げ立て!

やっぱり新鮮なアジはイイね。ホントに美味しい。。。

この博物館に来ることがあったら、今度も絶対アジフライ定食だなと思った。穴場だなあ。。。

 

エントランスの丸天井。

青い星は地球?

地球を宇宙から写した写真や映像を見るたびに、

なんて美しい星なんだろうか、と思う。

漆黒、暗黒の宇宙の中に、透き通るように青い星が存在していることの奇跡。

 

地球で採掘される宝石が数多あるとしても、これほどまでに美しい宝石を見つけられるだろうか。。。

これまで世界各国の宇宙望遠鏡が映し出す天体に、

これほど美しい星を見つけられただろうか、と思う。

 

火星に移住の夢、とか語っているけれど、

こんなに美しい星、地球を大事にしない人間は、一体どんな”夢”を求めているというのか。。。

博物館で改めて地球の歴史に触れるたび、

奇跡は足元、地球にこそあるんだと実感。。。

生命の源、宇宙に誕生した一つの小さな星、地球。

そして、そこに生まれでた岩石、海、植物、動物、生物たち。。。

どれほど精妙で美しいか、無駄なものなど一切無い世界。

そして、

博物館の最後の展示室で見たのはショッキングなデータ。

ニンゲン達が天然の化石燃料を使えるのは、あとほんの少しだけ。

石油は30年ほど、天然ガスは45年ほどだけ、殆ど廃れてしまった石炭は145年分だけ残っている。。。

子供たちや孫たちの世代には枯渇してしまう貴重な化石エネルギーを、湯水のように使い切ってしまっている事実。

ならばこれからは太陽熱や風力や水力のエネルギーを活用できるように、

火星や他の天体に移住する夢よりももっと予算と情熱を掛けて研究してほしい、と思う。。。

間違っても、それが理由で原子力発電の必要性を叫ぶような愚かな選択をしてほしくない。。。

化石エネルギーの活用で、既に地球環境と動植物を破壊してしまっているのに、

その代わりにと原子力エネルギーを乱用してしまっては、汚染された地球を回復させる術がなくなってしまう。

荒廃した荒れ野の風景が拡がる火星は未来の地球のように思えてならない。。。

こんなに美しい地球とそこに住まう動植物たちを思うと、

ニンゲンという種が、地球を汚く破壊するだけの存在では悲しすぎる。。。

 

色んな思いがいっぱいになった博物館を離れ、

箱根湯本から塔の沢へ。

ひっそりとした塔の沢の駅周辺。。。

やっと紅葉にありつけた感あり。

駅の近くにある箱根焼きの陶芸工房が閉まっていて、落ち葉が屋根や入り口にたまっている。

もう使われていないのかな。。。

何年か前にここで一日陶芸体験をして、その時作った茶碗は今も愛用。

茶の湯のための茶碗を作ったんだけど、ごはん茶碗にしたらイイ感じで。

黒の釉薬で仕上げた茶碗は、先生に「まるで楽の大井戸茶碗の写しじゃないか!」

とお世辞でも誉めて貰った楽しい思い出。(笑)

最初は抹茶で点てたお茶を飲む時だけに使ってたけど、

つい最近、これで白いご飯を食べたらメチャクチャ美味しそう!と思い始めて。。。

ごはん釜でツヤツヤに炊上げたごはんをよそってみたら、もうぴったり。

炊きたての白いごはんがすすむこと、すすむこと。。。旨し、旨し。

いかの塩辛とか、明太子とか載っけて食べるのにピッタリで。

考えてみれば、織田信長時代に珍重された安南茶碗だって、

南方のベトナム界隈の安食堂でご飯茶碗に使われていた”くらわんか茶碗”。

そのチープな風情を愛でた信長のセンスが国宝級なわけで。。。

自分で一日陶芸教室で作った茶碗なんだから、自分が大いに使ってあげないとね。。。

使っていくうちに愛着も出て来るものなんだなあ。。。

手前味噌だけど、本当に箱根焼きの黒茶碗、お茶もごはんも美味しく感じて大好きになりました。

陶芸工房が営業されていないようなのが寂しいところ。。。

 

塔の沢の駅舎内の植え込みにスミレが。。。!

もう11月も下旬だというのに春の野花が咲いている。

そういえば、さっき坂道の途中で小さなとんぼが飛んでたっけ。

とんぼなんて、晩夏から初秋に飛ぶものなのに。。。

 

ラズベリー系の赤い実もなっている。

この暖かな秋、というか冬の気象に人間も自然界もとまどっているのね。。。

 

すっかり日が傾いた塔の沢。

駅のホームの奥に、弁天さまのお社が。。。

初めて入った小さな祠。

清流が豊かに溢れ、流れている。

誰の姿も無く、静かで心地よく、爽やかな気持にさせて戴きました。

そんなほっこりした気持ちで帰りの登山電車に乗り込み、

東京への帰路へ。。。

 

P.S.

地球博物館のミュージアムショップで測量野帳を発見。

表紙には『Field Note』とある。コクヨの野帳とよく似てる。

こっちは布の製本になっていて、汚れ防止にビニールカバーも売っている。

文具マニアならこれは買い、でしょう!

野外で記録するときに書き易いように、やはり表紙は固めになっている。

そしてページは方眼のマス目が基本。。。

コクヨとの差別化はやはりこのペンホルダーよね。

でも、ビニールカバーにもついているので、カバーをかけるときは手帖のホルダーを折り畳まないとイケナイね。。。


26. 霜月(MON) 晴れ

久しぶりに会う友人らと銀座でごはん。

色鮮やかなバラにびっくり。

色のついた水を吸わせてレインボーカラーにしているんだとか。

銀座ならではな華やかなバラ。場所柄か贈り物に買っていかれる殿方も多し。。。

 

孤独のグルメで話題になった『毛沢東のスペアリブ』のお店、シャンウェイへ。

青山の本店は予約が取れなかったそうで、銀座のシャンウェイへ向かう。

お店は新橋に程近いお店。

中は洒落た雰囲気でいながらくつろげそうな素敵なお店。

乾杯しつつ、前菜3種盛り。

どれも本当に美味しいーー。ビールもすすむね。

15時間、中華鍋と蒸籠で蒸し続けた蒸し鶏にビックリ。

これは半身サイズだけど、中の骨がトロトロにとろけて全部食べられるほどに蒸されたお肉。

旨味がたまり醤油ベースのタレニからまって、見た目ほどしょっぱくもなく、

絶妙な味。。。旨し!

そしてこれがピリ辛の『毛沢東スペアリブ』

まぶされているのは長ねぎなどの香味野菜がカリッカリに香ばしくなるまでじっくり揚げられていて、

サクサク食べられるスペアリブにまぶしながら食べるとサイコー。

余ったフレークは持ち帰りも出来る。

ごはんに掛けたり、お肉を焼いたのに掛けたり。

料理長はインスタントラーメンに入れて食べると美味しいですよ、とお薦めと。

勿論、持ち帰りしましたよ。

黒チャーハンもパラパラだけど、しっとり感もあり。

大阪人の二人は「ちょっと塩っけが多い」と言うけれど、私は丁度いいくらいに思った。

昔は味の濃さに困っていたけど、今ではすっかり関東の味に慣れてしまった私なのね。。。

 

ここは本当に美味しくて、お店の方も丁寧で親切なので、是非また行きたいお店。

トロトロの蒸し鶏とスペアリブ、また食べたいー。

 

食後、汐留カレッタでイルミネーションと夜景を見に行こうと言うことになり、

テクテクと汐留へ。

丁度ライトアップが始まったばかりで、大勢の人が一心にスマホをかざしている。

誰か来てステージで歌っているのかと思うほどの熱狂した空気があって、圧倒される。。。

人々が押し寄せているのを、ちょっと遠めから眺める私。。。

綺麗だねー。

カレッタの36階から眺める夜景。

都内に住んでいると、わざわざ見に行かないことが殆どなのと、

イルミネーションとかも、それほど行こうと思わないところがあるので、

こういう機会があって逆に良かったかも。

夜景もイルミネも綺麗だったね。。。

 

その後、更に東京の旅の思い出にイルミネーションを見に行こうということになり、

東京駅界隈へ移動。

丁度帰宅ラッシュで急ぐビジネスマンの人々の波におされつつ。。。

レトロな丸の内駅舎を見学。

この周囲の窓はステーションホテルの客室の窓。

改築前だったけど、JR東日本のキャンペーンの仕事で宿泊したことがある。(自慢してしまったよ)

趣きあってホントに良かった。また泊まりたい。。。

 

丸ビルの最上階(の一階下)で夜景が見られる展望室があるというので、いざ丸ビルへ。

玄関ロビーに毛糸でできたツリーが!

全容をカメラに納めようと下がって撮っていたら、テープの内側でお願いします、と係員に注意されちゃった。

でも、内側だと全部カメラに収まらないのに〜。

上の方は毛糸もあるけど、編んだ風なデザインのパネルだけど、

下段の部分は本当に編んである!

赤い毛糸玉も本当の毛糸。

これは可愛い!このデザインのツリー、本当に素敵。

 

屋外のイルミネ通りも見にいく。

丸の内ルミナリエとか言うんだっけ。。。?

平日のせいなのか、いつもこれくらいなのか、人通りはまばらだけど、

観光客は大勢いて、写真を撮り合ってる。

通りにオープンテラスのカフェがないのが残念だった。

オフィス街というのもあるけど、観光スポットでもあるし。

せっかくの美しい風景を眺めながらで休んだり、くつろいだりする場所があればいいのになあ。。。

 

かなり歩き回ったので、のどが乾いて東京駅前のKITTE内のカフェでお茶を飲む。

コンコースには巨大なホワイトツリー!

今年の冬は雪が降らないかも、なので、見事なホワイトツリーが良い感じ!

ライトチェンジでオレンジにもなるのね。

やっぱりホワイト、が好きかも。


25. 霜月(SUN) 晴れ

近所を散策。

すっかり桜並木は紅葉して、かなり落葉してしまっている。

小学校の正門前の通りは毎年紅葉が綺麗なんだけど(春は桜が見事なの!)、

今年は殆ど色付いていない。

台風の塩害もあるみたいで、色付かないまま枯れていっている感じ。。。

街路樹の赤い実を鳥達が美味しそうについばんでる。

実りの季節、冬支度。

鳥達は忙しそう。

そういえば、近所の木立がうっそうとしているところに、

聞き慣れない鳥の鳴き声がけたたましいので空を見上げたら、

数十羽もの真っ青な羽の華やかな小鳥たちが群れをなして飛び去っていった!

あれはどうみてもインコの群れ。セキセイインコかな。。。

数年前に界隈で『探しています。インコが脱走して・・・』という貼り紙を見掛けたことがあって。

その頃、桜並木の辺りで悠々と滑空して飛んでいる尾羽根の長い、青い小鳥を見掛けたんだけど、

「あれはもしかして。。。」と思ったけれど、はるか彼方に行ってしまってはどうすることも出来ない。。。

ああいう場合、飼い主さんが呼び掛けたら気付いてくれるものなのかなあ。。。

その後、数年で数十羽の群れになってるのは、同じような迷子の鳥とつがいになれたのかな。

とにかく、都会でアマゾンのジャングルにいるような派手な鳥達の大軍には驚いたの何の。。。

在来種のスズメやメジロやオナガなどの小さな野鳥たちが追いやられないように、とも思う。


24. 霜月(SAT) 晴れ

急に街中でも紅葉と落葉がやってきた。

今年は秋が長かった。。。

でも、紅葉を楽しむのはなかなか難しい。

桜のシーズン以上にピンポイントの日を見つけないとだし、

そういう頃合に、出かけられるかどうかも分からないし。。。

美しい紅葉見物は今年は難しいかもなあ。。。

 

久しぶりに通った、富士山の見える坂の上の道。

きっと、今日は綺麗に見えるはず!

いつも持ち歩いているカメラを取り出して通りの角を西へ振り返る。

そこからの富士山の眺め。

赤富士とたなびく雲。

 

この写真を撮ってから、少し時間が経ってからの帰り道。。。

藍色の夜と、赤い夕暮れの空の間に見事な富士山。。。

寒くなって、空気が澄んできたから、こんなに遠くからでも眺められるようになった。

暖かく、大気が不安定な気候が続いたけど、

ようやっと富士山を楽しめる季節になってきた。


22. 霜月(THU) くもり

留め具を彫る。

古布を縫う。

小さなはぎれを繋いでいく。

薺nazunaを始めた頃にも思っていたことがある。

小さなはぎれでさえ、昔から大事に使われて、この現代に残っている古布たち。。。

細かなパーツに切り刻んだり、無駄に使ってはいけないな、と思ってもいる。

袋ものや小物を作るとき、はぎれになったものを使おうと思い、

なかなか着物のままのものにはさみを入れ難し。。。

貴重な布を引き継いでいくのだから、無駄にしないようにと思う。。。


20. 霜月(THU) 晴れのちくもり

手縫い服、完成したら少しずつでもHPのおしなものにアップしようと思っていたのですが、

現状では自宅での商品撮影の環境が不十分で、撮影が不可能ということになり、

また環境を整えて、アイテム数を増やしてからお披露目したく思います。。。

”身につけるもの”の”手縫い服”のアップは、しばらくお待ちください。


19. 霜月(MON) くもりのち雨

以前、厳格な修道院を20年以上という長期にわたって交渉し、

ようやく1年を掛けて取材したというドキュメンタリー映画を見た。

『大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院』

フランスアルプス山脈に建つグランド・シャルトルーズ修道院。

創立以来900年の間、ほとんど変わることのない厳しい生活。

 

一人一人、個室を与えられて、日々のほとんどの時間を沈黙と清貧と規律を守り、暮らしている。

(日曜日と祭日だけ談笑することが許される。厳しいー。)

修道院に入ってすぐの修道士に最初に衣服を与えられるシーンがある。

普段の生活で纏うローブやチュニックなどの衣類を賄う係の助修士もいて、

(助修士:修道院での暮らしを支える人達)採寸し、布を裁ち、仕立てていく。

きっと、中世と変わらぬやり方で。

ウンベルト・エーコ原作の「薔薇の名前」の映画(ジャン・ジャック・アノ−監督、ショーン・コネリー主演)の世界と、

現代でも殆ど変わらないような。。。

 

厚手のフェルトのようなウールの生成り生地を、フードつきのチュニックローブに仕立てていく作業も興味深く。。。

シンプルなカタチ、そして小さなポケット、ずっしりとした生地、

縫うこと、仕立てることも助修士の日々の勤めの一つであり、

沈黙のうちに仕立てられていく。

肉厚のフェルト生地のチュニックローブは見るからに重そうで、

それを着用して、ただじっとしたまま祈るだけで修行のようにも感じるけれど、

あの中世から変わらぬ暮らしの、静謐さと清貧の美しさが忘れられない。

 

ああいうチュニックやローブは暖かそうだなあ、なんて思ってみたり。

修道士の持つかばんや袋にも興味ある。

素朴でいながら、いつも肌身離さず持っていたくなる袋もの、仕立ててみたいなあとも思う。

何が出来るかな。。。


18. 霜月(SUN) 晴れ

11月も半ば。そろそろ紅葉を見たいと思い、都内の穴場の名所へ。。。

世田谷にある九品仏というところ。

駅近くにある浄真寺というお寺。

小さな駅舎を降りて踏切りを渡って、すぐ目の前に参道が。

(駅は上下線の真ん中にあるので、改札を出ると踏切りのど真ん中。。。

間近に電車が走るのでちょっとドキドキ。)

静かな参道を歩き、山門をくぐると。。。

(山門の額は『扁額 般舟場(はんじゅじょう)と書かれてあります。

”当山第二世珂憶上人の高弟珂慶上人の御筆で流麗雄渾な筆致である。

般舟とは般舟三昧の事でつねに行道念仏して現前に諸仏を見奉るを言う、

般舟三昧経三巻は弥陀経典中最古のもので浄土三部経と共に古来より

重ぜられている当山は院号を唯在念仏院と称し念仏の道場であり

参ずる人々に願往生の心を自然に発さんが為書かれたものである。”と門横の説明書きがありました。)

・・・・紅葉とは言っても、8割9割はまだまだ緑のもみじ。

日射しがよく当って、寒暖差がないと紅く色付かないので、

ずっと暖かいままの都内なので、紅葉もほんの一割くらいだった。

でも、ここは殆どがもみじとイチョウ。

鎌倉など名刹と違って、歴史も古いのに佇まいも静かで、観光客や参詣客も少なめなのがいい。。。

(しかも拝観料もない。。。)

御堂の手すりに瑞雲の意匠。

瑞雲、やっぱり可愛い。。。

九品仏の九品とは。。。(詳しくは調べてね)

下品下生から上品上生まで、極悪人から聖人まで、九通りの極楽浄土に至る有り様が説かれています。

極悪人とまではいかなくてもフツーの人間ならではの、

知らずのうちにしてしまっている行ないに応じての死後の行く末。。。

知らず知らずでさえも、道のり険しいことがあるならば、

故意のいじめやイジワル、ましてや悪意や悪事ならばどれほどか。。。

最初の山門を入ってすぐに、閻魔さまと脱衣婆の像の御堂もありました。

お寺の境内のすべてがワンダーランドというか、ちょっとした曼陀羅風になっているのかも。

山門に入ると(三途の川を渡り)すぐに、閻魔様のお裁きを受けて、

苦しみの中から南無阿弥陀と唱えることでみほとけの導きを受けて、

やがて阿弥陀如来の世界=極楽浄土へと至る、という。。。

とにもかくにも”南無阿弥陀”と唱えれば今からでも間に合います、

このお寺で阿弥陀様にお詣りしておきましょう、ということなんですかね。。。

 

地獄極楽思想は、恐ろしく、そして美しいものだけど、

お寺は清清しく、それぞれの御堂の佇まいも静謐で。。。

本堂の大伽藍の絢爛な御仏さまは圧巻。。。

長く東京に暮らしていながら、ここに来るのは今日が初めて。

仏像を前に手を合わせていると、ふんわりした気持ちに。。。

それにしても居心地の良いお寺。

裏手の霊園にはどんぐりや巨大なマツボックリがいっぱい。

都会の真ん中にありながら、喧騒とは懸け離れた静かな聖地。。。

もう少し時期をずらして紅葉を目指して再度来てみようと思う。

ここは穴場のパワースポットだなと思う。

 

九品仏は自由が丘のそばで、この界隈もパン屋さん激選区でもあります。。。

九品仏の駅向こう(お寺とは反対方向)の商店街をいくと、

「Boulangerie NEUF9(ブーランジェリー・ヌフ)」があります。

小さなパン屋さんだけど、美味しそうな気配!

ヌフで購入したのは、洋梨(カスタードクリームとビターなカラメル)のデニッシュ、

その場でカスタードクリームを詰めてくれるコルネ、

リッチな味わいのブリオッシュとクロワッサン。

クロワッサンとデニッシュは、他店とパイ生地の層の食べ比べをしたいので買ってみた。

どれも美味しい。コルネの生地のパリパリ感といったら!!!

デニッシュもいい、クロワッサンも皮が限り無く薄い。。。

ここはお気に入りになってしまった。今度はバゲットや角食を試したい。

 

てくてく歩いて、奥沢へ。。。

九品仏から歩くと結構距離があったけど、

奥沢にあるバゲットの美味しいお店を目指して、テクテク歩いてみた。ヘトヘト。。。

辿りついたのは、CUPID(クピド)というパン屋さん。

前回来たときも、家から電車を乗り継ぎ乗り継ぎ、事前に予約しておいたパンを買いに行ったことがある。

予約したとはいっても、実際に行ってみて無かったら困るので、

念の為、行く直前に電話して前日に予約したものがあるかどうか確認してみた。

「ちゃんとお取り置きしてあります」の言葉に、ウキウキとお店に行ってみたら、

「実は御予約の商品を他のお客さんに出してしまいまして。。。」と平謝りされて。。。

(だから電話したのにーーー)と思ったけど、

仕方がないですよねー、とその時は違うものを買って帰った経緯あり。。。

今日は予約はせずにその場で好きなものをアレコレ注文して、ワクワク楽しみで店を出た。

帰宅してウキウキと袋から出してみたら、

何故か注文した覚えのないパンが入っていて、

代わりに今日の一番のお目当てのパンが入ってないっていう。。。

ああーー。。。ホントに残念なキモチ。。。

残念がっても取替えに行けるわけもなく。。。

しょっちゅう行ける距離の店ではないので、たまたま、というか、こういう時に限ってというか。。。

そういう御縁なんでしょうかね、と諦めるしかない。。。

気を取り直して、、、

店主の方がパリでクロワッサンを食べてパン屋さんに開眼したというお店自慢のクロワッサンも賞味。

バターの香るリッチなクロワッサン。。。

サクサク、フンワリ、といった食感。

クロワッサンやデニッシュ系のパイ生地のパンを、色んなお店のを食べ比べをしている、というか、

自分好みのパイ生地のパン屋さんを見つけようと思っていて♪

そういうのでいうと、

CUPIDも美味しいけど、九品仏の”ヌフ”の繊細なパリパリした極薄の生地の方が好みかなあ。。。

左がヌフ、右がCUPID。

CUPIDのバゲット、土日限定という石臼挽きという贅沢なものを買ってみた。

バゲットは普通のシンプルなタイプが好きだけど、せっかくなので石臼挽きの粉のパンを味わってみようかなと。

噛むごとにしっかり滋味深いという感じ。

メゾン・カイザー系というか、”ICHI”や駒場東大前の”Le・Ressort”のパンの風味にも似ている感じもする。

味わい深いパンなので、バターやスプレッドは必要ない感じ。

今晩のメニューは、猫の花屋の味の濃い野菜とチキンのソテー、そしてニンニクのロースト。

バゲットに合う、合う。

それから、イチジクやクルミの入ったバゲットもとても美味しかった。

 

また九品仏に紅葉を見に来たときに、パン屋巡りをしに行こう。。。


17. 霜月(SAT) 晴れ

アボカドと生ハムのサンドイッチを作る。

サラダ菜とブロッコリースプラウトも一緒に付け合わせる。

玉葱のみじん切りとケッパーを入れて、ライムを絞ったマヨネーズソース。

最後にブラックペッパーとトリュフ塩をかけて、パンでギュっとサンド。

このところ、自家製パンを作っていないので、トーストばっかり。

そろそろ自家製パンを焼かなくちゃー。

 

猫のお花屋さんで扱っている横浜野菜。

空芯菜と豚肉の炒めを作ろうと思って、

洗って切ったら茎の中が空洞じゃないからびっくり。

生の茎をちょいと食べてみたら、セリのようなちょっとした苦味。。。

これは何だろうと調べてみたら”アシタバ”だった!

アシタバは何度か食べたことがあるけど、今日買ったのは見た目が空芯菜にそっくりだったので間違えちゃった。

独特な苦味と香りもニンニクと肉と一緒に食べると甘さに変わって美味美味。

猫の花屋の野菜は、味がしっかりしてて濃い感じ。

トマトやキュウリ、小松菜の味も濃い。子供の頃に食べた懐かしさを感じる味。

大量に生産されるような畑じゃなくて、小さな畑でちょっとずつ作ってる野菜のようだし。

土の栄養が濃いのかな。。。

そう考えると、

畑の土も野菜を育て続けると、どんどん痩せてくるだろうし、

土を休ませたり、栄養を与えないと美味しい野菜にはならないんだろうなあ、と思う。。。


16. 霜月(FRI) 晴れのちくもり

愛用の小物入れには、お守りを仕舞って、

家にいるときは身近に置いて、お出かけや旅行のときには鞄に入れて。

長いこと使ってきたので、留め具はツヤツヤになってきたけど、

布の角がだんだん擦れてきた。

また小物入れを仕立てなくちゃいけないなあ、と思う。

 

以前、留め具を彫る話しの際にも記したフランスのおまじない、”toucher du bois(木に触れる)”

これも厄よけのおまじない。

日本でいうところの”えんがちょ”とか”ぎっちょ”というようなものだけど、

不安な気持になったり、縁起の良くないものを見たり聞いたりしたときなどに、

”toucher du bois”と言ってから木や木製のものに触れたりするおまじない。

木製のものは、塗装のないナチュラルなものがイイらしい。(笑)

あとは、”自分は幸せだ”とか”成功した”とかというような強気なことを思わず断言してしまったときも、

やっぱり木に触っておまじないするんだとか。

発してしまった言葉から幸運を盗まれてしまわないようにとのこと。。。

 

そういう話しを耳にしてから、

外出先や混雑の電車内でちょっと不安を感じるようなシチュエーションの時など、

バッグの中の小物入れの前飾りの留具をそっと撫でたりするだけで、なんだかほっこりしてきます。

木の手触りの温かみが、どこか安心感につながるのかも。


13. 霜月(TUE) くもり

きつねうどんの思い出。

以前もニッキに書いたことがあったけど。

幼稚園のお弁当をおかあさん方が用意できなくて子供に持たせていけないとき、

先生にお願いして、近所のうどん屋さんから出前を取ることが出来た。

姉も在園中に一度だけ。

その時に、「きつねうどん、すごく美味しいん!」と聞かされていて、

私も出前のきつねうどんを食べてみたい、とずっと思っていた。

いつもは、お手製のお弁当のときもあれば、幼稚園の前にサンドイッチ屋さんが来ていて、

そこのハムとキュウリのサンドイッチとメロンサワーを買って貰うのも楽しみだった。

そこのお手製のサンドイッチは、とびきり美味しかった。

ある日、母が急ぎで出かけなければならず、幼稚園の送りも出来ない朝、

「先生にお昼ごはんのおうどんの出前をお願いしておいたから」と送りだされた。

(今と違って、私の幼少期の当時は幼稚園はみんな独りで通っていたし、

帰りも親の付き添いもなく、ひとりで帰るのは当たり前な感じだった)

そして、お昼時になって、きつねうどんが自分の席に運ばれてきた時の嬉しさ、どこか誇らしいような。(笑)

よく味のしみこんだ大きな油揚げが載っていて、おつゆのだしの美味しかったこと、

きつね揚げの甘過ぎず、しょっぱすぎず、丁度いい塩梅のふっくらした味の美味しかったこと。

今も忘れられない味。

 

近所に美味しくて評判のうどん屋さんがあるけれど、

そことは違う味。

幼稚園の裏手にひっそりあったお店は私が小学生になった頃、もう店終いしてしまっていたようだった。

同じ幼稚園の同輩たちとは学区が違ったので、屋号や店の場所などの詳しいことも分からず。。。

あれから、色んな大阪、京都の美味しいお店に行ってはあの味を探している私。

「美味しいけど、やっぱり違うなあ。。。」と。

一軒だけ、味の似た感じのお店が京都にあった。三条界隈の商店街の小さなうどん屋さん。

ちょっと違うのは、そこは油揚げを京都らしく刻んであるきつねうどん。

また行って確かめてみたい。。。

 

あの味に近付きたくて、時々作るきつねうどん。

お出汁は昆布とじゃことかつお節。天塩で味付けして、風味付けにうすくち醤油。

東京では”うすくち醤油”はあまりポピュラーではなくて、スーパーでは売っていないところもあるくらい。

今度、関西の薄口しょうゆを買っておこう。。。

油揚げの味つけも、東京暮らしの方が長くなってきて、

自分の舌がだんだん東京好みの甘辛っぽくなりつつある。。。

でも、昆布だしの効いたつゆは、やっぱり身も心も暖かくしてくれる。。。

関西のうどん、やっぱり大好き。

 

追記:

関西にあるような、大きな油揚げがなかなか無いのね。

大きいと厚みもすごくて、厚揚げ風になっちゃう。

カラっと菜種油で揚がった大判のふっくらきつねが手に入ったらなあ、と思う。。。


12. 霜月(MON) 晴れのちくもり

薺nazunaの撮影部のダンナさんが、「新しいアイテムが滞ってるじゃん」と。

アイタタタ・・・・。

あと、紺屋の白袴みたく、自家用の日用品の布もの制作も滞り。。。

作りたいもの、作らなくちゃいけないものが多々あるのに、手が思うように動かないというか。(笑)

カンタ刺繍もまだまだ進んでない。

手縫い服のタグも作らなくちゃ。

・・・・とにかく、目の前のものを一つずつやるしかない。

 

今年は紅葉を見に行けるかなあ。

山の方ではもう始まっているのかな。

木々の覆い茂る山の空気を吸いに行くぞー。


11. 霜月(SUN) 晴れ

新しいアイテムを制作。。。

思っていたようなカタチに仕上らず、なんだかヘコむ。

気を取り直して、そしてやり直す。

 

週末は近所の公園に大勢の子供たちで大にぎわい。

平日は学校と塾通いで思いっきり遊べるのは土曜とか日曜日なんだなあ。。。

やたらに元気のいい男の子が大声で何か叫んでる。

一緒にボール遊びする女の子への罵声に、こちらが思わずビックリする。

容姿端麗といってもいい可愛い女の子に向かって、「ブス、ブス、ブス!」と延々と繰り返す粗暴な声に、

通り掛かった大人が振り返るほど。

当の女の子は、いつものことと慣れ切った様子で我慢して皆と一緒に遊びを続けている。

どんなに腹が立つことだろうか。

でも、女の子は一切言い返したりしない。。。

 

大人になると、小学生くらいの男の子のそういう言動&行動は、

「そうだったんだ、バカみたい」と失笑してしまうようなものだろうけど、

でも総じていえることは一つだけ。

子供の頃にそういうことをする子は、イイ大人になっても結構変わらなかったりするんじゃないだろうか。

そして、そんな輩は大人になって果たして異性にモテるだろうか?

そんなわけがないっつーの。(笑)

セクハラ言動を平気でしてしまう大人たちの子供時代って、

こんなだったのかなあ、なんて思ってしまったり。。。

 

人を平気で罵るような野暮な輩には、勝手に吠えさせておけばいいのですよ。

美しき乙女のりりしく結んだ口元に、汚い罵声は似合わないから。


10. 霜月(SAT) 晴れ

ひさしぶりの快晴に、お洗濯を張り切るも、

夜にまさかの雨で、必死で取り込む。

まだまだ不安定な気候なのね。。。

 

近所の古いビルがどんどん様変わりの再開発になっていて、

新しい景色がどんどん増えている。

この界隈にも小規模なホテルや民泊も出来てるようで、外国人観光客が増加。

近所のスーパーで買い物していたら、今日も食料を買い込む長期滞在風の欧米旅行者の姿が多い。

道のそこかしこでスーツケースをゴロゴロ転がす人々が沢山。。。

オリンピックの頃には、東京は物凄いことになるんじゃないかと。。。

 

東京五輪まであと少し。

石原都知事時代から、開催地に立候補していた時は、

私も、そして東京人の多くが「なんでそんなことをするんだ」と憤慨していたと思ったけど、

なんだかんだと開催地に決定した途端、お祭りモードになっていく感あり。。。

お祭り大好き日本人だし。。。

やるからには成功して貰いたい。

せっかく地元で開催なんだから直に観戦してみたいと思いつつも。

見たい競技のチケット、取れたらイイなあ。。。

もちろん、見たいのはサッカー!なんてね。


09. 霜月(FRI)

今日も”雨”という予報ではなかったのに、雨が降る。。。

衛星の性能の進歩があって、天気予報が格段に良くなったんじゃなかったっけ。

今年の予報はホントに当らない。

出かける時などは自分の勘を信じた方がいいくらいの時もある。

こうなったら、曇りのときは鞄に折り畳み傘を入れておいた方がいいなあ。。。

 

今晩のメニューはまたしてもリベンジ、”コンナムル・パプ”。

前回の本場のレシピ通りの、塩もだしも使わないのを自己流に変えて。

赤穂の天塩を少々と、

鶏ガラスープと貝柱スープを米の分量の目安で入れる。

豆もやしと、ニンニクと豚バラの刻んだのをごま油で炒めたのに、

タケノコの穂先きの茹でたのをザクザク切って加える。。。

これ、これ。間違いない!

勿論、焼き肉やキムチや味付けの濃いオカズとセットのときは、

味付けせずに通常のコンナムル・パプの方が塩分の取り過ぎにならないのでいいけど、

この味付けは間違いないですね。。。

こんなに大した具も入ってないのに、何故にこんなに美味しいのか。不思議なほど。

豆もやしを炊き込むなんて、よく考えたなあ、と。

ごはん釜の蓋を開けたときの、香ばしいようなホックホクした豆の香りが本当にいいのです。


08. 霜月(THU) 晴れのちくもり

黒檀を眺めていると、こんなに炭のように真っ黒な樹というのも面白いなあと思う。

当然、彫ると削りカスや細かなオガクズも黒い。。。

僅かに木目など焦茶色のグラデーションがあるけれど、

オイルを塗布すると艶やかな黒さが際だつ。

 

見ているうちに、この黒という色はなんて綺麗なんだろう、と思う。

黒にはすべての色が含まれている、と聞く。

太陽の光を集めるのは黒。太陽の下にいると黒くなるのがそう。

おひさまと一緒の証拠。

逆に、深海や洞窟など太陽の光が一切入ってこない暗闇の中にいるものは、殆どが真っ白。

西洋の宗教的な概念の”白”に対するイメージと、自然界の法則はまた違っているのかな。(笑)


07. 霜月(WED) くもり

硬い材にピンバイスで穴開けしていたら、ボキッと折れてしまった。

これで2本目。。。

糸鋸で切るのも、いつもの数倍時間がかかる。

彫る材が、いつも同じ形じゃなかったり、小さなものなので万力や固定台を使っていない。

左手の押さえで鋸で切ったり、彫ったりしているせいか、

元々、握力も腕力も指の力も非力だったのが、力がついてくるものなんだなあ、と。

その代わりに、肩凝りも左の方が凝る。

 

昔、舞を習っていたときに、お師匠さんが「身体をバランス良く保つことが大事」と、

聞き手と反対の手は使わずにいることが多いので、だんだん身体のバランス軸が傾いてくる、と。。。

利き手じゃなくても出来るような簡単なことは、意識して使ってみるのがいいと教わってから、

今でもちょっとした物を取ったり、掴んだり、混ぜたりするのを意識的に左手にさせるようにしているけど、

彫る作業、縫う作業はなかなかバランスは取れないので、ムズカシイ。。。

 

今晩のメニューはまたしても餃子。

餃子の具を冷やして寝かせておいたのを使って、またトライ。

やっぱり寝かせた具で作るギョウザは味にまろみと深みが出て最強の旨さ。(手前味噌でごめんなさい)

具にしっかり味を入れてあるので、

定番のラー油醤油タレも美味だけど、

黒酢に黒コショウをたっぷり砕いたのを入れただけのタレが、もう絶妙に旨し。

あと、”讃岐の藻塩”をチラっと付けて食べるのも美味、美味!

しょうゆは使わずに塩だけ、とか、黒酢だけというのは、

具の味わいや豚肉の旨味が際だってくる感じがする。

 

藻塩は色々食べ比べた自分の好みでいうと、

高松の「藻塩工房」というところが作った藻塩が一等美味しい。

これは無くなると近所で売ってないので、有楽町交通会館にある四国のアンテナショップに買いにいく。

そろそろ切れてきたので、買いに行かなくちゃ。。。


06. 霜月(TUE)

衣服を縫っていると、これまでとは違う袋もののアイデアが湧いてくる。

手縫い服などのウェア制作と、バッグや袋ものなどの制作の両立。。。

そして何よりも、木彫をしたいのだということも実感する。

木に触れているとホッとする、安堵感、安心感というか。。。

木造家で生まれ育ったからかなあ。。。

木で出来たしつらいや廊下、テーブル、箪笥、机、盆、そういう古い木の道具に囲まれて暮らしていたせいか、

モダンで生活感のない内装や家具、IT調理器、家電には憧れを感じない。

木の暖かみ、手仕事のあとのあるものに心惹かれるし、そんな暮らしへの憧れを感じる。

 

薺nazunaを始めてから、ずっと愛用してきた彫刻刀の平刀。

14〜5年使い続けて、柄があめ色に近くなってきた。

名の有る刃物ではないし、研ぎが定かでないので甘い刃になっているけれど、

他を試しに使ってみても、やはりこれでないとと思ってしまう。

大抵の留め具や前飾りは平刀1本で彫ってきた。機械のローターは使わない。

ひたすら彫刻刀で彫って、紙やすりで何段階も目の細さを変えて磨いていく。

 

何十年も乾燥させた山桜の他に、

象牙のように硬質な黒檀を彫る。

黒檀(エボニー)は彫刻刀で少しずつしか彫り進められない。

歪みのないものを目指して手彫りしても、紙ヤスリで念入りに磨いても、

ゆがみや削りあとが残ってしまう。でも、何故かそれでいいと思える。

まっすぐ、まっ平ら、でなくてもいい。

機械で寸分の狂いなく切り出され、マシンのバッファーで金属のように表面を磨かれたものよりも、

アフリカの人達の手仕事、手彫りのノミのあとの残るプリミティブな木彫りのオブジェや家具が美しいと感じる。

黒檀の風合いが、どこか黒耀石にも似て。

縄文人の手作りした鏃や耳飾りや首飾りの丹念な手仕事にも憧れがあるのか。。。

機械で切り出し、磨き、最後の仕上げに手彫りのあとだけを残したものよりも、

くり抜き、削り、磨きに手仕事のみで仕上げたプリミティブなものに、

美しさを感じ、心惹かれるから。

そういうものに近付いていきたいと思うから。。。


05. 霜月(MON) くもりのち雨

美味しそうなキャベツとタケノコが手に入ったので今日は餃子!

ニラと長ネギを入れずに作ってみる。

食べたあとに、口の中に残る辛味と苦味とニラの香りがちょっと苦手なのかも。

ちょっと前に、米ヌカの養分で無農薬で作られたニラは全くそういうエグミが無くて、

本当に美味しかった。

ああいうニラやネギが手に入ったら、ギョウザに入れてもいいのかも。

やっぱり素材の味や香りが影響する料理だからなのかな、と思う。

 

ひき肉にたっぷりと鶏ガラスープと貝柱スープを入れて、塩、こしょう、おろし生姜、

しょうゆ、オイスターソース小匙1弱を入れて、手ではなく木ヘラでまぜ合わせる。

手だと肉が温まってくるので、油が出過ぎてしまって調味料と分離しやすくなるようだ。

なので、木ベラで混ぜた方が味が廻り易いし、冷しながら混ぜなくてもいいので手も凍えない。(嬉)

 

ニラと長ネギの入れない代わりに、玉葱とタケノコとシイタケ(干シイタケの戻しならサイコー)、キャベツ、白菜。

タケノコは刻みすぎないのがいい。

なるべく一晩ほど具は寝かせた方がいいけど、時間のないときでもせめて1時間はほしい。。。

 

そして、皮に包んで焼く。

皮は手作りの皮だったら、もう言うことないけど、

無くても中華食品専門のメーカーのものや、点心や麺などの製造専門メーカーのものがおすすめ。。。

スーパーのプライベートブランドの点心の皮はどれも固いし破れ易いし、

あんまり美味しくない。。。手キビシくて、ごめんね。。。

でも、本当に美味しい皮で作ると、全然全然違うんだもの。

焼いた皮が本当に美味しいの。

鍋に入れる水分は水だと皮がグジュグジュになるので、必ず熱湯を入れるのがポイント。

しっかり焼く。。。

鍋の端が火の当りにバラつきが出ちゃうのが、ちょっと。。。

フライパンが大きすぎて、コンロからはみ出るし。

 

ニラを入れなくて正解。後味がさっぱりして野菜と肉の甘みが引き立つ。

旨し、旨し。。。

 

ここ連日、ダンナさんの仕事が夜中までなので、

夜食にリッツ&カマンベールのおつまみ。

結構、我が家は仕事で夜通し朝まで、というのが多いので、

そういうときはもっとヘビーな夜食も作る。

夜中の飲食は御法度、早寝早起き、朝ごはんしっかり食べて、とヒトはいうけれど、

色んな時間帯で仕事する人がいる。。。

9時から5時まで、夜から朝まで、時間に関係なく不定期に。。。

何でも皆一緒、一様に、何が正しいというわけでもないワケで。

人それぞれの暮らし方でイイのです。

それぞれに、それぞれのやり方で、

心地よく、穏やかに、和やかに暮らせるのがイイのですよね。。。


04. 霜月(SUN) くもりのち雨

今では外出時にはケータイやスマホで時間が確認できるので、

腕時計をしてなくても充分なんだけど、

古い昔の手巻きの腕時計が好きでたまらない。

祖母の形見の金のブレスレット型の時計も機能の面で言うと、

ほぼ何の役にも経たないくらいのものだけど、巻いているだけで、眺めているだけでホンワカしてくる。

 

そしてお気に入りのORISの手巻き時計。

随分昔、ダンナさんの引き出しにあったのを見たとき、なんて可愛いんだろうと思った。

「全然使ってないからあげるよ」と貰ったのはいつだったか。。。

貰った当時から、毎日ゼンマイを巻いて時間を合わせるのが楽しくて。

ある時、巻きすぎてリューズが空回りするようになってしまった。

ゼンマイが切れてしまったようで。。。

修理に出そうと思ったら、当時は時計屋さんでORISの修理を扱ってくれるところがなかなか無くて、

スイスの本社に修理で送るので費用が掛ると言われてしまい。。。

「元々が安い時計なんだから勿体ないから修理なんかしなくていいよ」とダンナさん。

それで止まったまま仕舞ってあるんだけど。

その時計はキッカケで、ゼンマイを巻いて時間を合わせる時計の魅力にはまってしまい、

普通の電池時計では物足りなくなっていた。

修理をするか、どうしようか迷っていた時、偶然アンティークのORISの手巻きに出会ってしまった。

黒地の文字盤の大きなフェイスの手巻き時計。

勿論メンズ仕様で、見た目が軍用のもの。戦後間も無い頃に軍用をモデルに製造されたもののよう。

なので、かなりのビンテージというかアンティーク。

古いのにちゃんと稼動していて、若干遅れはあるもののしっかり現役バリバリの時計。

 

手巻きは放置すると中のバネやネジが錆びたりカビたり、オイルが劣化したりするそうなので、

装着しないときもネジを定期的に巻いて時間を合わせている。

 

でもこの間、時計を巻いて時間を合わせる手筈をつい間違えてしまった。

止まっている時計の針を動かすときは、ゼンマイを巻いてからでないといけないのに、

先に時計を針を現時刻に合わせようと動かしてしまった。

ゼンマイが動かない状態で針を合わせようとすると、負荷がかかるに決っている。。。

だから、ちょっとでもゼンマイを巻いてからでないといけないのに、

しかも、数カ月放置してしまっていて、久しぶりに動かすときだったので耳に押し当ててリューズを巻いたとき、

ペキっと嫌な音がした。

その途端、リューズを巻こうにも、もうビクとも動かない。

これでは無理に動かそうとしたらゼンマイが切れてしまうのは必至。。。

どうしよう!とパニクっていたら、「もう動かさない方がいい。しばらく放っておいた方がいい」とダンナさん。

「放っておいても治らないかも。。。」

「今、何かすると絶対切れる。だから、しばらく置いておいたら中のオイルがネジやゼンマイに廻るかも」

その言葉に納得しつつ、何かしたいと思う気持を抑えてそのまま数日放置することに。

数日後、試しにリューズを回してみると、通常通りにカリカリと問題なく廻り始めた。

チクタク音もして秒針もクルクル廻っている。

無理に動かさなくて良かったー。

でも、まだまだ怖いので、少しずつ慣らしていくことにして、たくさん回さないように注意して。

 

そんなスッタモンダから2週間くらい経った。。。

今はこれまでよりもスムーズに動くようになって、時計の針も問題なく進んでいっている。

ほっとひと安心。

時々家にいるときも腕にはめて、振動を与えてやろうと思う。

手巻きのアンティークの腕時計は防水じゃないし、衝撃にも弱いけれど、

何物にも換え難い温かみと何よりも自分だけの”特別な時計”といった所有する喜びを感じる。。。

大事に使っていきたいと思う。。。


02. 霜月(FRI) 晴れ

昨日は霜月酉の日

一の酉の酉の市へ行ってきた。

夕闇に沈んでいく定点観測地。

桜並木はもうすっかり晩秋の面影。

でも、まだまだ紅葉していなくて、緑の葉っぱのまま枯れてきてる感じもする。

朝晩の寒暖差が紅葉を色付かせるというけれど、

日中の温度はまだまだ暖かいので、11月とは思えないくらい。

 

ここの酉の市に通い始めたのは、薺nazunaを始めてから。

これまでは都内各地の酉の市へ観光で行っていたけれど、

どうせなら地元に近い方がいいに決ってる。。。

最初は業者さんの熊手を買ってたけど、いつからか神社の熊手を求めるようになり。。。

でも、なんというか。。。

世知辛いというか、年々飾り物の稲穂が小さく小さくなっている。

去年のだって、「結構小さくなったなあ」と思っていたのに、今年は更にうんと小さい。

せっかくの縁起物なんだし、もうちょっとどうにかならんかなあ。。。

 

神社の屋台を横目に、ずんずん坂道の登って歩道橋を渡る。

ここまで来たならお気に入りのタコ焼き屋さんでアツアツを頬張りたい。

目黒の頑固蛸。

スタンダードのソースでカリカリをオーダー。

マヨネはほんの少しにして貰った。

やっぱり美味しい!

近所にここの支点が出来たけど、やっぱりこの本店が美味しい。

いつも無口で強面人だったのに、今夜の店員さんは笑顔がナイスで優しいお兄さんだった。

店前のベンチで焼き立てを頬張る。

大阪に住んでいたときは、子供の頃はほぼ毎日。10代になっても週3以上で食べていたタコ焼き。

スナック菓子よりもタコ焼き、ヤキソバがおやつだった。

今でもせめて週1で食べたいくらいだけど、ここのを食べるのは本当に久しぶり。。。

 

目黒不動の毎月の28日の縁日に出店していた名物のタコ焼き屋さんはもう来なくなってしまった。

そこタコ焼きにハマってた時は毎月縁日へ通っていたし、

亀有が本拠地と聞けば、はるばる亀有の天満宮へも行ったくらいに。。。

でも結構年輩の方だったのでもう廃業されてしまったのかもしれないなあ。。。

 

なので、この界隈でタコ焼きといったら、大鳥神社そばの「頑固蛸」で決りです!


01. 霜月(THU) 晴れ

今月しょっぱなからのニッキが、ちょいと辛口なものになっちゃいました。。。

 

ハロウィーンの大騒ぎはここ数年で悪化の一途。

酷いニュースが連日報道されていて、本当に悲しい気持ち。

渋谷はこんな街じゃ無かったのにね。。。

 

青春時代の多くを渋谷で過ごしたし、

お気に入りの映画館やカフェ、小道や猫のたむろする公園、

地下にある小さなミニシアター、感じの良いお店、老舗のレストラン、

かつては沢山の素敵なものがあって、散策するのも楽しかったけど、

もう今では用事が無い限り、あまり行きたいと思えない。。。

渋谷は若者の街だけど、あんなに通っていた渋谷に殆ど行かなくなったのは、

年齢的なものだけじゃない。。。

 

何かのイベントがあると大騒ぎする目的の人々が群がる街へと変わり、

最初は交差点でハイタッチするくらいの可愛いものから年々エスカレートしていき、

今年はついに商店や通行の車や人に暴行行為にまで。。。

 

ハロウィーンは日本で言えば地蔵盆のようなものと思っていた。

お盆のように、ご先祖や精霊、死者の霊を悼み、

また賑わいのあるお祭りをして彼らに楽しんでもらおうとするもの、と。。。

本来、お祭りというのは、どの国の文化だって人間のためのものじゃない。

神さまだったり、ご先祖だったり、精霊だったり。

そういう目に見えない畏怖の存在に、音楽を奏でたり、舞を見せたり、お芝居をしたり、

芸術や芸事は人のためのものではなかった。

それが本来の”祭り”のあり方だった。。。

 

ハロウィーンも本来はケルトから来た宗教儀礼の一つと聞いた。。。

欧米のお化け屋敷や仮装も、子供たちが”死”について「そんなに怖いものじゃないんだよ」と、

ちょっとしたスリリングなファンタジーから何かを学んで行く場なんだと。

子供たちがコワイ仮装をして近所の人たちからオヤツを貰う、それを付き添いの大人たちがそっと守ってやる。

精霊が主役、子供達が主役なのがハロウィーンの仮装のお祭りじゃなかったのかな。。。?

 

ひと昔前までの大人のハロウィーンの仮装って、

ハタから見てても、「あいつらバカだなあー」って、ほのぼの笑えるくらいに何か楽しかった。

 

クリスマスもバレンタインもハロウィンも、

色んなものを海外から吸収しては、おおもとのモノとは完全に切り離し、

ひたすら独自の大騒ぎの祭りに変えていく。。。

ある意味、日本人の日本人たる由縁かな、とも思う。。。

何のかんのと祭りが好きなんだよね。

限定したシチュエーションでなら大騒ぎしてもいいのだ、という、

何か日頃の生真面目な箍(たが)を外したいのかな。。。

 

来年からはどこか屋内の防音設備のある会場で大騒ぎすればいいのにと思う。。。

ハチ公交差点をハイタッチの”聖地”にしたいなら、ちゃんと聖地にふさわしい秩序をつくるべきだと思う。

 

ちょいと塩ッ辛くてお粗末さま。。。


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