nazuna ニッキ 2018年 2月 如月

 

 

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28. 如月 (WED) くもり

前にもニッキに書いたけど、

買い物に行く時に必ずといって良い程、すれ違うリハビリ歩行の年輩の男性。

今も歩行器を使用して歩かれているけれど、

先日すれ違ったとき、ほぼ全快したと言ってもいいくらいに回復されているご様子だった。

見ず知らずの方で、時折すれ違うだけなんだけど、

心の中で「本当に凄いなあ」と思っている。。。

最初にすれ違っていた頃は、一歩一歩がやっとでかなり後遺症も酷かったようだった。

去年のあの暑い時期も、ずっと歩かれていたようで今では普通の足取りになっている。

そうなってくると表情も変ってくるのか、

顔色も表情も全く健康そのもの。。。

毎日自分で継続してリハビリするってどんなに大変だろう、と。

なかなか出来ることじゃないと思う。。。

私なんかは最近運動不足で「毎日歩かないといけないなあ」などと思ってばかり。。。(ペコリ)


26. 如月 (MON) 晴れ

最近はインターネットで調べものをしようとすると、

画像の検索でもキーワードでも、殆どが大手サイトの商品ページのヒットが多くて、

目的のサイトになかなかたどり着けない。。。

 

・・・おっと、自分のサイトだってショッピングサイトな訳で、

ページに商品の説明文も長いのが入っているので

とやかく言えない立場と理解してます。(すみません。。。)

 

最初、如実に変化を感じたのは2005年から2007年頃だったか、

大手検索エンジンが大きくシステムを変えたなあ、と。

雑貨系や和風雑貨系の検索エンジンの管理者からメールで、

「せっかく登録下さったけど、もうこうなっては太刀打ち出来なくなりました。。。」というメールを戴いて。

90年代はインターネット開拓期だったから、

個人も企業も同じ土俵で、それこそ本当に誰もが”1端末ごと”に平等に開かれていたところはあった。

今考えたら奇跡な時代だったのかも。

当時はネットのイエローページなんてのが本屋さんに並んでたくらいだったし。

個人で作ったゲームもフリーで提供してくれていた。。。

それぞれの分野で専門に研究している人たちが、無償で情報を公開してくれていた。

日本のHPもまだ殆ど無くて、

洋書のイエローページから見つけたアメリカや外国の個人サイトへ遊びに行ってたのを思い出す。

楽天もまだ出来たばっかりの頃は、ほんの数軒だけが出店していた感じだった。

当時はそんなだったから、ネット通販はもっぱらアメリカのサイトでお買い物してたっけ。。。

まあ、開拓期というか、インターネット黎明期だったので、手探りで面白いことをやろうとしていたんだなあ。。。

 

またその後も”世界規模の総ブログ時代”(勝手に命名)という大津波がやってきて、

やがて、スマホも普及して目まぐるしいネットの大変遷時代が到来。。。

何度かの地軸変動(オーバー)もあって、

去年、アメリカでネットの平等性が無くなるルールが発動。。。

大口取引先が検索優位になるということ。

多分、その後に日本の検索エンジンもその影響を受けて大いに変化したんだと思う。

大手企業にとっては当たり前のルールなんだけど。。。

これで開拓期、黎明期、”世界規模の総ブログ時代”から細々と残っていた

ネットの平等性は無くなったのかな。

 

インターネットはもっぱら私にとって百科事典のようなものだったので、

ちょっとしたキーワードで調べ物をすることが難しくなってきた。

あと、うちのような個人規模の手作りサイトを発見する楽しみも。。。


24. 如月 (SAT) 晴れ

去年の春頃以来、会えなくなってた地域猫。

近所で元気に暮らしてるよと聞いてはいても、

今年の氷点下にもなってた寒い日々を、小屋もなくて如何に暮らしているのかと

時々姿を探しに行くけど、ずっと会えないまま。。。

 

今日、道で”猫のお世話係”のおばさまを見かけたので、

今日は会えるかも!と、頻繁に見かけるという界隈へ行ってみた。

 

空き地の奥に、真っ黒な塊を発見。(喜)

名前を呼ぶと、ちょっと面倒くさそうに(笑)、

でもちゃんと顔を見せてくれた。

毛艶も良くて元気そうだった。

良かった、良かった。。。

 

我が家のスズメ温泉は現在閉館中。。。

外壁工事が遅れに遅れて、洗濯もままならない日々が長く続いて。

部屋にも日が射さないので、なんだか調子もあがらないのだった。

時々、何も無くなってビニールで窓や手すりが覆われたベランダへ入ってくるスズメ達を見かける。

「あっ!来てたんだ!」と思って急いで水盤を持っていくけど、

なかなか姿は見えない。。。

もうすぐ工事が終わるから、それまで達者で暮らせよー、と独り言。(笑)

 

ベランダの野花たちは部屋の中へ避難中。

でも、今年の冬は寒気が酷かったので、氷点下にさらされたら、

いくら強い雑草系のスミレ達といえどもダメになってしまってたかも。

サボテンだって、せいぜい0℃までだろうし。。。

 

部屋の中に入れていたせいか、スミレやシャムロックたちが本当にたわわに育っている!

すっかり咲いてしまいました。(嬉)

知らない間に、こんなに可憐な姿になってた。。。

どんどん鉢にすみれの芽が出てきて、スミレ、ベビーラッシュです。可愛いー。


22. 如月 (THU) 雨のちくもり

白花豆の甘露煮をつくる。

先日のクッキーといい、甘豆といい、

計りに載せる砂糖の量を見ると、ドキドキしてくる。。。

でも、グラニュー糖や白砂糖じゃなくてキビ砂糖だからまだイイのだ、

などと自分に言い聞かせ。。。(笑)

豆の甘く煮たのも美味しいけど、肉と一緒に煮込むのもいいね。。。


20. 如月 (TUE) 晴れ

休日に近所で地産地消のマルシェが立っていたので、

そこで生でも食べられるマッシュルームとチンゲン菜を買った。

マッシュルームはキノコくさくてイイ感じ。

チンゲン菜も生でいけるけど、さっと湯通しした。

これらをケッパー、ニンニク、バジルを粉みじんに刻んで、

トリュフ塩、胡椒、オリーブオイルで味付けした”緑のソース”で戴きます。

新鮮な味わいが旨味たっぷり。。。

 

ミニクロワッサンが食べたくなって買いにいく。

シナモン味の新商品が出ていて買おうと思ったら、

並んでるうちに、残りがたったの二つだけになってしまった。

今度、また来よう。

美味しかったけど、私達には甘過ぎた。。。

そんな私達にはノーマルのクロワッサンがいいのかも。


19. 如月 (MON) 晴れ

久しぶりにクッキーを焼く。

お気に入りの焼き菓子用の薄力粉”エリクチュール”でサックサク。

今回のはとても良く出来た。

オーソドックスなビスケット生地なので簡単。

常温にしたバターをよく泡立てて白っぱくなるまで。

砂糖を数回に分けて混ぜて、どんどんふわふわに。

卵とバニラエッセンスを加えて、よおくすり混ぜるのがポイント。

分離しちゃうと台なしに。。。

粉を合わせたとき、殆ど混ざり合わないくらいのポロポロ感だったのを、

そのままラップで平たく包んで冷蔵庫は小1時間。

ボウルに移してここでやっと軽く練り合わせる感じに。

棒状に丸めてのばして、8mmほどの厚みにスライスして焼く。

ホロホロ、サックサク!

これまで作った中で一番美味しく出来た。

混ぜたとき、最初は粉っぽいなと思うくらいがホロホロサクサクの仕上りになるみたい。

タータンチェックの包み紙で有名はクッキーのような濃厚な味わい。

おやつはミルクティーと一緒に。一枚ずつ、大事に食べたいね。


18. 如月 (SUN) 晴れ

ここへ来るのは10年ぶりくらい?

久しぶりに高幡不動へ。

お天気も良くて、ちょっとした遠出に良い日和。

ここで骨董市があるので、古いもの好きとしては楽しみ。

ぐるぐると巡るうちに、ちょいといいなあと思っていたアンティークガラスのキャニスター。

また後で来ようと思っていたら、その間にお嫁(?)に行ってしまったみたい。。。

アンティークは一点ものなので、「好きだな」と思ったら早く決心んしないと無くなっちゃうね。。。

ううーーん、残念。

 

境内の一角で飼い主さんと日向ぼっこしている白いワンちゃんが気持良さそうに目を細めてる。

ずっと気になってたけど、柴ワンだと見知らぬ他人は吠えられちゃうかも、と遠巻きに眺めてた。

基本、猫派のわたし。ワンちゃんも好きだけど、ちょっと怖いと思ってしまうことがある。

でも通りがかりの人がワンちゃんに近寄って行ったらものすごく喜んでたので、

私もオズオズと近寄ってみる。

そしたら向こうから尻尾を振って走って来てくれた。

先客に申し訳ないけど、大歓迎のお出迎えに思いっきりガーーっと撫でる。

耳の毛がパフパフしてて柔らかい。知らない人がどんなに触っても全然嫌がらないし起らない。(笑)

器の大きいワンちゃん。可愛いーー。

「このコ、柴犬ですよね?」

「そう、白柴」と飼い主さん。

「ちょっと秋田犬っぽいなあ、と思ったんですよ。風貌が。秋田犬の子供っぽいなって」

「このコに決めたのは秋田犬ぽかったからなんだよね」と飼い主さん。

風貌と同様に秋田犬のように人懐っこくて、芸達者な白柴くん。

毎日お散歩に来てるというから、ここのアイドルだなあ。

モフモフに癒されるー。


16. 如月 (FRI) 晴れ

冬のシーズンだけど、古布の麻好き。

季節知らず、と言われようが、どうしても麻を縫ってしまう。。。

上布と厚手のアサ、おお麻、大麻布。

木綿を合わせるのも気持良い。

麻と麻の重ねは、古来日本の風雅さが感じられて尚よろし。

蚊帳の生成りの麻と江戸期の生成りの麻の着物地を合わせる。

ざっくり織られた野趣な蚊帳アサと、細かな上布。

共に、生成りの色の合わせが、何故か心惹かれる取り合わせ。

シンプルで、どこかプリミティヴな麻の重ね。

こういう袋もの、最近は他では見なくなったので、まあウチぐらいはやってもいいのかなと思ったり。。。


14. 如月 (WED) 晴れ

巷はバレンタインデー。

最近はダンナさんも洋菓子より和菓子派になってきているので、

あんみつとか和菓子がいい、という。

世の中の風潮的に義理チョコはやめようというネットのニュースにもあったから、

今年は自重気味なのかなあ。

男性諸君は義理チョコのお返しを考えなくていいのでホッとしているのか、していないのか。。。(笑)


12. 如月 (MON) 晴れ

苧麻、おお麻、南部麻などの布で袋ものを作る。

江戸期の南部麻(おお麻、ゴリゴリ麻)はまだハサミを入れていないけど、

「麻の重ね」のシリーズとして仕立てたい。

日本のおお麻と韓国のサンベとくらべると、どちらも大麻布だけど、

韓国のものはモシ(苧麻)のような薄手に作られている。

柿渋染めのサンベ(大麻布)は日本の生成りの”アサ”にもよく合う。

生成りの”アサ”は蚊帳として作られたものだという。

大昔の手織のカヤ織りというのは、”蚊帳”ではなく、

植物の”カヤ”ではないのかな。。。

江戸期の蚊帳と、比較的新しい明治から昭和に掛けての蚊帳の織りや繊維は随分違う。

江戸期の蚊帳を使ってポーチや小物入れを仕立てたのが、

自分でも結構気に入っている。

ああいう素朴な素材をプリミティブな風情を残したまま仕上げた袋ものなんて、

作るのはウチくらいなんじゃないかと。。。

おお麻や南部麻、昔の苧麻なども、

そんなプリミティブな風情のものを作りたい。


11. 如月 (SUN) 建国記念の日 祝 晴れ

前々から、エキサイトのブログにバックアップ機能がない、とは思っていたけれど、

最初はこのHPのニッキの写しや更新の告知などがメインだったので、

バックアップしなくてもいいかな、と思っていた。

でも、数年前からニッキの公開を2年分にしているのと、

HPのニッキは分類のないまま、日付けと年代別だけなので、

個別の記事や写真をもう一度見たいときに、「いつのニッキだっけ?」と自分でも分からなくなってしまう。

自分でもあとで資料として見たいときがあるので、

ブログのタグやカテゴリーを充実させようというのを去年から始めていた。

2011年の震災のあと、よもやの原発事故、もしや首都圏大避難になるのかも、

という混乱の中で、HPが更新できなくなるかもしれないと思って始めたブログ。

もう今年で7年目にもなるので、たっぷり7年分の記事が詰まっている。

無料ブログは「いつなんどき削除やサービス終了になるかも分からない」と聞いて、

ちょっと焦ってきた。

ニッキの記事をダウンロードしようと「巡集」というフリーソフトを使ってみたけど、

一日中掛ってもエラーばかりで全く終わらない。。。

 

以前にも、ブログを引越しさせようとして、失敗した経緯もあったけど、

やはり他のブログへ丸ごと引っ越せるところに移った方がいいんじゃないかと思い、

トライしてみることに。

しかし!エキサイトを丸ごと引っ越せるところが、ほぼほぼ無い!

唯一FC2というところが出来そうなので試してみたけど、やっぱりエラーが続出で記事を移せない。

でも、よくよく考えたら、ブログを始めるときに広告があまりに多いので、

リストから外したところだったのを思い出した。

そういう意味でもまだエキサイトの方が全然いい。

手作業でUSBに少しずつコピーしていこう。

 

うーーん、縫い物の面倒なのとか何とも思わないのに、

こういうのが一番苦手な作業。トホホ。。。

 


09. 如月 (FRI) 晴れ

竹橋の美術館へ「熊谷守一展」へGO!

初期からの作品が展示されているので、晩年のあの画風になっていく過程を見ることができる。

光が後ろから当る、逆光での光のラインがあの赤い線で表わされていたんだなと分かる。

暗闇の中に浮かび上がった女性の屍「轢死体」の絵。

その後も何度も登場するモチーフ。

目の当りにした人間の死、肉体、魂、魂の容れ物としての肉体。。。

実子の死にも何度も遭遇し、その死を描くことの苦悩。

それらの思いなどが吐露された記述。

その後、晩年に暮らした木造屋の庭で、生き物、雨、猫を写していく守一。

猫をことさら可愛がっていた様子が、絵に現れている。

 

初期の作品の綿密な絵から、晩年の赤い線で輪郭を描き、

単純化、まるで記号化されたような絵へと変っていく。

単純化された絵だけど、何度もスケッチを繰り返し、

何度も繰り替えし同じモチーフを描き続ける姿勢。

そのこだわり。

庭を観察し続けての有名な言葉、

「蟻は左の2番目の足から歩き始める」

どれだけ観察しても、それを見つけられるのは至難の技。

水たまりに落ちる雨の雫がはねて王冠をつくる様子を、

(ミルクが滴り落ちて、ミルククラウンが出来るような)

高速度カメラでスローモーションを撮影したような絵を描いている。

単純化された絵だとしても綿密なスケッチを何枚も繰り返したであろう、

その絵からは、雨粒が落ちて跳ねる様子がまざまざと感じられる。

 

海岸線、砂浜、海、動物、蛙、猫、シンプルな輪郭線、

少ない色数の中でも、選び抜かれた色と、丁寧に塗り重ねられた画面は、

眺めるだけでも心地よい。

辛い経験や戦争の只中でも病で外へ思うように出かけられなくても、身近なものを対象に、

生き物、いのちの本質を描き続けた守一。

丁寧に描かれた輪郭線が、どこかミッフィーの面影を感じてしまった。。。

PCで簡単にトレースするイラストレーターが多い時代に、

丁寧に丁寧に筆で描く、印刷する上で、指定した色が的確に表現されるように、

色数と種類を決めて組み合わせながら制作していったブルーナの絵と、

光と影を追い求め、光の輪郭線を描き続けた熊谷守一の絵。

スラスラッと適当に描いたのでは決して出来ないラインと色。

心和むという点で、猫やカエルや蟻などの小さな生き物たちを描いた絵を見ているうちに、

ブルーナさんの絵をちょっと彷佛としてしまった。

 

生前の守一の私物が公開されていた中で、

光を照らすためのランプなどの他に、

ネジや金具や豆電球などが雑多に入った箱もあった。

私の道具箱と全く同じようなものが展示されていて、何か親近感さえ感じてしまった。

 

我が家のベランダの小さな植木鉢の野花や水盤、

そこへやってくる小鳥たちの観察の楽しさを知っているので、

守一がどれほど嬉々として蟻やカエルや猫たちを描いていたかが分かる。。。

自宅アトリエの美術館にも足を運んでみたい。。。

 

美術館の所蔵品展示の会場も見に行く。

つくづくと、日本の洋画の画壇の主流が海外の有名画家の影響が多大なんだなと。。。

オリジナリティを追求している画家の多くが、派閥や画壇から抜け出しているのでは、とも思う。

権威あるところから認められてデビューも出来るし、注目も受けるし、

また仕事としても成り立って行くのだろうけど、

芸術家としての制作と、ビジネス的アート制作は別のところにあるんだろうな、と思ったりも。。。

 

 

”眺めのいい部屋”から皇居の森を臨む。

展示会場を後にして、ギャラリーショップでポストカードを選ぶ。

猫絵のカードはコレクションにしている。

ポストカードはよく使うけど、猫カードは使えない。(笑)

 

私の猫絵カードのコレクションから。。。

これは上野の国立博物館のギャラリーショップで見つけた国芳の「鼠よけの猫」のカード。

 

国芳の名作”猫飼好五十三疋”のカードは没後150年記念の展覧会のあった森美術館で。

 

お気に入りの猫や動物のカードが増えてきて、カードケースがたまっていく。

ギャラリーだけでなく、アンティークのカードも探したりもする。

今には無いデザインのものや、丁寧な細密絵の猫やうさぎのものが可愛くて。

カード集めはやめられない。。。

 

P.S.

東京国立近代美術館。2階に”ミクニ”のカフェがあったけど、早々に営業終了になっていて、

展覧会を廻って喉がカラカラなのに他にドリンクコーナーも無く。。。

冷却水で飲むのも何だか。。。

そこかしこに結構広々としたスペースがあるのになあ。

バチカンの美術館でさえ、気軽に利用できる学食のようなカフェテリアがあったのに、

最近の都内の有名美術館や博物館のカフェは、

色んなニーズに向けて作ればいいのになあ、と思う。

ランチやティータイムを悠々と優雅に過ごせるカフェと、

学生さんや子供連れの家族が気軽に利用できるカフェ。

両方があったら、もっと外国人観光客もやって来れると思う。

東京は外国や地方にくらべると何でも割高傾向にあるし。。。

どこも”ハコもの”は立派だけど、

ゆったり心地よく過すための何かが大いに足りない。。。

”おもてなし”とは何ぞや、などと思いつつ、会場を後にする。(笑)

 

どこかで休憩したいけど、美術館を出たらあまりに殺風景で憩いの場所があるとは思えない。。。

ふと、毎日新聞社が目に入った。

あのビルに行ってみるべし。

中に入ったことはないけど、思いのほか飲食店が並んでいる。

ファスト系のカフェも幾つかある。

ふと、スタバを覗くと店じまいかと思うほどお客さんがいない。

椅子もソファー席も選び放題。

ウチの近所に3軒〜4軒もスタバがあるのに、これまでどこも座れたためしがない。

それなのに。。。ここは穴場なのかも。。。

美術館や博物館を廻って、見た感想などを話しつつ、ゆっくりくつろげるってイイね。

そんな場所が、”ハコもの”の中にもっとあったらいいのにね。


07. 如月 (WED) 晴れ

袋もの材料にしようと思って仕入れた着物や羽織や半纏など、

解いてしまえるものと、

長いこと解けないままのものがある。

 

東北の太い麻糸で織られた野良着や半纏など、

穴が開いていようが、痛んでいようが、

これを解くのは許されないんじゃないか、という気持ちになってくる。

 

 

東北のおお麻の野良着。

穴の開いた風情まで、存在感が光っている。

手縫いのザクザクした縫い目にも、

洗いを重ねてアタリの出た藍染の色の妙が出ていて、

神々しいものにすら感じてしまう。


05. 如月 (MON) くもり

長いこと棚の奥へ仕舞ったきり、忘れ去られていた古い木綿の単衣の羽織。

骨董屋さんで、「幕末武士の羽織」と聞いて仕入れたものの、

柿渋染めのような、深緑色のような何色かとも分からない羽織。

「なんで、これを買ってしまったんだろう」と後悔も出て来るほど。

それに何故これが「武士」の羽織だと言ったのだろう。

家紋もなく、これといって見栄えも良くない羽織。

町人や農民、職人の持ち物だったかもしれないのに。。。

 

あとで洗濯しようと思い、棚に袋のまま仕舞って長いこと失念していた羽織。

何度も丸洗いを重ね、だんだんと本来の色が現れてきた。

あの何色とも分からない色、というのが全て汚れや泥だった。。。

元の色は、なんと鮮やかな花田色。

(洗いを重ねて、少々色落ちさせてしまったので浅葱色か。。。)

見違えるような爽やかな色を取り戻した羽織、

乾かしてからアイロンでしわを伸ばしながらふと気がついた。

「木綿だと思っていたけど、これは麻?」

パリっとしつつも素朴な手触りに、一瞬「葛布の糸も入っているのかな」とも思ったが、

30倍スコープで覗いてみると、苧麻の緯糸と木綿の縦糸の交織りと分かった。

アイロンですっかりしわを取り、外しあった羽織紐を取り付けると、

骨董屋さんが「下級武士の羽織」と言ったわけが分かったような気がしてきた。

鮮やかな花田色に、こっくりした褐色の羽織紐。

この爽やかな色合わせの品の良さ。

羽織の袖の長さが、よく見かけていた町民や農民の羽織と違って、

少し長めのようにも感じる。

それが、この羽織がどこか若侍が着ていたもののような風情を醸し出しているような。。。(想像)

そして上級武士なら羽織に家紋は必定だろうし、

素材も単衣なら上布や葛布で仕立てるのでは、とも思う。

 

それにしても、幕末の武士の羽織。。。

激動の時代を歩んできたであろう藍染の羽織。

元の色が分からないほど泥だらけになった羽織は、何を見て来たのだろうか。。。

明治維新後は、失職した武士たちの怒濤の幕開けとなったろう。

布一枚、着物一枚に歴史を感じ、ご先祖ルーツにも想いを馳せる。。。

 

去年、鎧姿の戦国武将のご先祖さまの夢を見た。

黒髪ロン毛の額に、きりりと巻いた白い帯。

軍配か、白い房のようなものを手に、戦の野営幕の中で座っている姿。

戦国時代の山城の城主。

織田信長側だったのを本能寺の変で明智光秀に率いられ、

秀吉に破れた後、流転の中でも京都で武士として、脈々と生きたご先祖方の逞しさ。

明治維新後は世の流れで武士から一転、裸一貫から商人となり、

その跡を継いで明治から昭和中頃まで曾曾祖父から祖父らが、

大阪でメリヤス貿易&メリヤス工場を経営して大奮闘。

大阪の西区の靫公園はご先祖が設立した会社の跡地が、後にそのまま公園になったと聞いた。。。

昭和になって土地を軍の用地として接収されたようだけど、

かつて会社と工場があった敷地にはトロッコが走っていたのだそうで。。。

糸の貿易取引価格は曾祖父が頷かないと取引が始まらなかったというのを聞いたりも。。。

 

布や着物に携ろうなどと考えたことも無かったけれど、

小さい頃から布や着物に触れてきたのが、

今の薺nazunaに繋がっているのかな、と思う。。。


04. 如月 (SUN) 晴れ

今日は暖かい日曜日でホッとする。

こんなに寒い冬になるなんて、ね。。。

銀座・有楽町界隈を散策。

通りで小さなパンダくんを発見。

あまりの可愛さに写真を撮らせてもらった。

パンダの帽子がお似合いで。

撫でさせて貰ったら、ぺろぺろと御挨拶してくれた。

 

この界隈へ行くと、必ずと言っていいほど立ち寄る地方アンテナショップ。

沖縄のわしたショップはいつ行っても活気があって大にぎわい。

日曜日なので結構混んでいる。

お目当てはやっぱり沖縄そば。

色んな種類があるので、スタッフの方に一番のお薦めを聞いてみた。

爽やかなスタッフさんが「照喜名そばが一番好きですね」ということで、これに決定。

出汁もとんこつベースのかつお出汁がお薦めとのことで。

あと、シークヮサー胡椒も試しに買ってみることにした。

ゆず胡椒がポピュラーで、最近は四国のスダチ胡椒を主に買ってたけど、

シークヮサー胡椒というのも良さそうな。

れいによって、ジュースもゲットする。

お気に入りの大宜味村産のシークヮサージュース。

あれれ。。。。品薄で残り一本だった。良かったー。

 

アンテナショップの締めはやっぱり『せとうち旬彩館』。

新橋までテクテク歩いていく。

旬彩館で大好きな讃岐うどんを探す。

なんといっても「もり家」のうどんです。

コシと喉越しのなめらかさ、うどんのエッジが立っている。

ここのが一番美味しいと思う。。。

 

讃岐うどんを初めて食べたのは、もう随分昔。

まだ渋谷の宇田川町の裏通りに名店「やしま」があった頃。

「お昼時はいつも並んでるけど絶対美味しいから」と仕事関係の人に連れて行って貰ったのが最初。

大阪や京都の普通のうどんを食べ慣れていたので、

讃岐の強いコシと生醤油やだし醤油をパっと回しかけて食べるスタイルに、

正直戸惑いを感じたのも事実。。。

コシの強いうどんは、茹で時間が足りてないように思ったし、

ゆで汁に入っただけのうどん、というのも、

だし醤油や生醤油を掛けても味が足りないと思った。

でも、天麩羅はとびきり美味しかった。

「これが讃岐うどん、というやつかあ。。。」

少々面喰らったけれど、何故か気になる味、くせになる味で、その後も結構通うようになった。

そして、空前の讃岐うどんブームが到来。

様々な讃岐うどんのお店が出来て、アンテナショップも充実。本場の生うどんも買えるようになった。

これだけ好きなのに、まだ四国に食べに行ったことはない。。。

一度は行ってみたいと思っている。(ワクワク)


03. 如月 (SAT) くもり

先月、28日のお不動さんの縁日で戴いてきた福豆を撒く。

福はうち〜。

今年も福が沢山来ますように。

良い年になりますように。

福はうち〜。

 


02. 如月 (FRI) 雨のちくもり

連日、古布を洗いに掛けている。

藍染めが元気で、触った手に藍の色がついてしまうようなときも、

しばらく放っておく。

すると、しらない間に藍が治まって、色移りしなくなったりする。

 

今、洗いにかけてるのは江戸期に織られたという大麻布(おお麻、南部麻)。

 

ゴリゴリ麻と呼ばれるおお麻の繊維からなめして採った糸で、手織した古来からの布。

木綿は寒い地方では栽培が出来なくて、おお麻(大麻草)は厳しい土地でも大きく育ち、

繊維が豊富に採れるので、戦前までは大いに利用されて手織りしていたのだそう。

大麻布がほかの麻生地とどう違うのかというと、

織り上がった当初は文字通りゴリゴリとかなり粗い肌触りなのに、

何度も水をくぐって、擦り切れや穴が出始める頃、なんともいえない柔らかな手触りへと変っていく。

青山骨董通りにある古布を主に扱う”古民芸もりた”さんから、

大麻布は苧麻や亜麻(リネン)の長繊維のものと違って、短繊維のものだから、

洗うとガーゼのような肌触りになっていく。

それとは反対に、苧麻はどんなに水をくぐらそうが、使い込もうがパリッとした質感は変らない。

大麻布の魅力はその変化にありますね、と。。。

 

 

本当に、今、手にしている江戸期の大麻布は、ゴリゴリした部分もあるにはあるけれど、

しっとり、とろんとした手触りが何とも言えない。

ボロはボロなんだけど、

近年、海外でもこういう日本の昔布のボロをBOROと呼んで、

コレクションされている方も多いというし、

浮世絵と同じで、どんどん質の良いものが(ボロだけど。。。笑)

海外へ流出していくのかな、とちょっと気が気ではないキモチ。

評価が高まってくると、とても手の届かない時代裂になってしまって、

袋ものの素材として使うことはますます出来なくなっていく。

まさに、今、そういう状態になっていると言ってもいいと思う。。。

 

これまでも、珍しい布など見つけてくれた骨董屋さんが、この大麻布を手渡してくれたときに、

「もう市場から無くなって、見つけるのが難しくなったなあ。これが最後かもしれんよ。

これだけのものは、もう出て来ないと思う」と。。。

 

 

なので、とても容易にハサミなど入れられるものじゃないけど、

でも、是非、これを手にして貰いたいから、

大切なものを仕舞うための袋ものにしてみたいと思っている。。。


01. 如月 (THU) くもりのち雨

ずいぶん前に手に入れた木綿の羽織りがある。

幕末の武士が着ていたものだ、と言われて物珍しくて購入したものの、

家に帰ってよくよく見たら、かなり色が変色していて状態が悪い。

「しまったなあー」

仕入れに失敗した、と思って、袋に入れて収納棚に置いておいた。

あとで洗いに掛けよう、と思いながらすっかり忘れてしまっていた。

棚の整理をしていたら、どこかで見覚えのある袋に入ったままの古い羽織。

出してみると、何色に染めたものなのか、

さっぱり見当がつかない色合いの木綿の羽織。

 

ちょっと洗ってみよう、と、

ぬるま湯にセスキ粉末を溶かしたものに浸け置き、

その後、純石鹸と酵素漂白剤を溶かしたもので丸洗い。

念入りに念入りに。

洗えば洗うほどに、藍の鮮やかな色が顔を出した。

 

あれま、これは藍染めだったか。。。

 

最初はお年寄りの下級武士が着ていたのかな、というような暗い地味な色だったのに、

これでもかというほど念入りに洗ってみたら、

鮮やかな花田色の藍色が現れた。

若いお侍さんが武道に励む姿をイメージしてしまうほどに、鮮やかな青。。。

でも家紋がないので本当に武士の羽織かどうかは分からないけど、

もう捨ててしまおうかと思ったほどだったので、

見違えるようになって良かった。。。

 

勿論、経年の木綿なので、色褪せも穴開きもあるけれど、

風情のある木綿の羽織に生まれ変わって本当に嬉しい。。。


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