nazuna ニッキ 2017年 4月 卯月

 

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30. 卯月(SUN) 晴れ

朝起きたら、花の香りがしていて、

香水なのか芳香剤なのか、漂ってくる。

部屋の中には花の香りのするものはないので、不思議に思っていた。

カーテンを開けて納得。

それはやっと咲いたジャスミンの香りだった。

ハンギングバスケットに植えたので、保水力に劣るのですぐに渇いてしまう。

ジャスミンはとにかく水を好むので渇くと枯れ易い。

肥料をやると枝葉を伸ばして花芽をつかないので、とにかく水を与えるといいというので、

渇かないように水をやっていたら、ようやく咲いた。

たった数輪の花なのに、窓を閉め切っても尚、香る。

ジャスミンの季節、到来。。。


25. 卯月(TUE) 晴れ

自由が丘の岩立フォークテキスタイルミュージアムへ、

カンタ刺繍作家の望月真理さんの講演とワークショップに。

 

カンタ刺繍、というものを初めて目にしたのは、

十数年前に、上野桜木にあるインドの手仕事に溢れたウエアやストールなどを製作されている「アナンダ工房」だった。

そこで目にしたインドの布は、極細番手の糸で手織りされた絹や木綿の布ばかり。

当時、巷に溢れていた派手な色のインドの布ものとは全く違ったものだった。

そこで、黄金の繭から紡がれる自然のままの黄金の絹、ムガシルクというのも初めて見た。

薺nazunaを始める前の頃、布というものに興味を持ち始めて、

色んなものを見聞きしたい欲求に駆られて様々に歩き廻っていた頃だった。

そこで見せて頂いたのはインドの職人さんの丁寧で緻密な仕事ぶり。

あまりの細かさに感嘆したものだった。

上等の絹布に、絹糸で動物や花々を刺繍して、その周りや空白の地の部分もビッシリと細い絹糸で地刺しされた生地。

それが「カンタ」というもので、これほど手の込んだ手仕事がインドの技なのだ、と感動すら覚えた記憶がある。

 

世界中に刺繍や刺し子など、布と糸の手仕事があるけれど、

中でも、日本の東北の「どんさ刺し」とインドの「カンタ」に、グッとくるものがあった。

規則的に布の目を数えて刺す刺繍や刺し子の美しさにも感動するけれど、

自由に刺していく、技法や手法、こうしなければいけない、というルールのない刺し子が

「どんさ」だったり「カンタ」だったりするけれど、

布の補強や魔除けなど、生活に密着して生まれたのが漁師の「どんさ」刺し子としたら、

カンタは日常のものとは違う、ハレのものであり、作り手の芸術作品に他ならない。

 

世界中の貴重な布の芸術を蒐集、展示、保存されているミュージアムのオーナーのお話しがまた深い。。。

「カンタが誕生したインドのベンガル地方は、貧しく苛酷な土地。

なのに、他のどの土地にも生み出されない芸術が生まれる場所。

気候も良く、心地よく、満たされた場所からは芸術は生まれようがない」と。

 

インドの名も無い女たちがどれほどの年月を掛けて生み出したのか計り知れない「カンタ刺繍」。

生まれた娘が嫁ぐ日のためになのだろう。

そこには、極楽図とも言えるような美しい世界が一面に、様々に糸で描かれている。

ボロボロになったサリーやシーツ、日用の布を重ねて糸で刺しただけのものなのに、

見た瞬間に、感嘆とワクワクとした喜びが胸に溢れてくる。

特に、このミュージアムで目にした古いカンタの縫い糸の軌跡は、布と渾然一体となっていて、

見るものを驚愕させること間違いなし。。。。

巷にカンタ刺しの布が溢れているけれど、本物はこんなにも繊細で緻密。

今はインドでも「カンタ」を生み出せる人はいなくなっているのだとか。

望月さんは、そんな手仕事大国のインドから「カンタ」の教えを請われているほど。

90歳を超える高齢にもかかわらず、糸と針の仕事は続いていく。

望月さんの作品は布から糸から全て手で触って探しながら、

一日一日少しずつ縫い続けて生み出される宝石。

「布の目を数える刺し子や刺繍だったら出来なくなっていたかもしれない」とおっしゃる。

技法もルールもなく自由だから続けられる、と。

 

私が「どんさ」や「カンタ」を見た瞬間に惹かれたのも、

「こうしなくちゃいけません」とか「このように目を数えます」とかのルールの枠がなく、

刺繍の動物や花たちの表情がユーモラスで、

目立たないように刺した地の色と同じ糸の地刺しに愛情を感じたのかも。

 

早速帰宅してから、ありあわせの布に糸でカンタをしてみたものの、

何度も何度も解いては縫っての繰り返し。。。。

「まず、やってみる。やってみないと、何も分からない」

望月さんの言葉が何度も耳にこだまする。

やってみて凄さが分かる。困難さが分かる。途方もない手仕事なのだと分かる。

やってみて、分からないことがいっぱい出て来る。

ため息をつきつつも、何かワクワクがとまらない。。。

 

白い布、生成、キバタの布が好きな私に、

「白の刺し子、カンタ」の展覧会とワークショップに声を掛けてくれた友人に感謝しなくては。。。

ここで昔のインドの女性たちが生み出した作品を間近で見て、

また、望月さんが製作された作品を直に手で触れ、お話しをお聞きすることが出来たのは、

(自分自身の経験がまだ年浅いとしても)布に携ってこれた者にとって、本当に宝ものを頂いたような気がします。

感謝!


27. 卯月(THU) 晴れ

nazuna_antiqueをアップしました。

木の道具、金物、漆のものなど。。。

是非、チェックしてみてください。

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いつもの定点観測。

すっかり桜も散って、緑一色に。。。

ブロックの隙間に生えたグリーン。

青紫の花が可憐。

 

帰り道、玉川屋で和菓子を買う。

季節の柏餅。美味しいね。

つぶあんは関東は草餅ベースが主流なのよね。。。

実はよもぎベースの草餅がちょっと苦手なところがある。

白い餅で粒あんが食べたいなあ、なんてね。。。

横浜の義父宅の庭に柏の木。

緑が綺麗だった。香りも良くて。まさに柏餅にしたいくらい。


23. 卯月(SUN) 晴れ

横浜の義父の家を訪問。

良いお天気で庭の藤の花が見事に咲いている。

聞けば、ダンナさんが小学生のときにお父さんにプレゼントした藤の木なんだそう。

まめに剪定されているので、結構小ぶりながらも満開の藤の花が美しい。

あちたこちらに春の花が咲いている。

山芋も地中に植わっているらしく、蔓に出来るムカゴもたわわになるんだとか。

ムカゴご飯、美味しそうー。

 

近所を散策。

家の裏手に小さな森がある。

鳥獣保護区の看板があるので、タヌキやハクビシン、アナグマもいっぱい住んでいそう。

ワンちゃん、ネコちゃんの格好のお散歩道だね。

 

途中の道にクローバーがたわわに繁っていて、

ダンナさんに「ここで四つ葉を探しながら何時間も過ごせる」といったら、

「置いて行く」と言われたので、仕方が無く一緒に歩く。(笑)

 

横浜といえばシュウマイ。(笑)

崎陽軒のシュウマイって、時々無性に食べたくなるのですよ。

お土産に買って帰りました。

蒸籠で蒸すとあっと言う間だし、

木の輪っぱは丈夫だし、編んだ蓋は大事な香りと蒸気は逃がさず、

適度に余分な蒸気を逃がして水がたまらないのでモッチリ仕上る。

木製の蒸籠を使うと、何でこれまで金属製のものしか使わなかったんだろう、と驚いてしまう。

こういうの手入れに困るみたいに思うけど、

クッキングシートを敷くので全然汚れないし、汚さないで使うので洗わないでいいのです。

ていうか、洗っちゃ駄目なんですって。。。(笑)

何より出来上がりの香りが良いので、蒸し器は蒸籠で決りです。


22. 卯月(SAT) くもりのち雨

夕飯の買い物に出掛けた。

道の向こうに、華やかな桜並木。

八重桜の桜が丁度満開。

ゴージャスな八重桜もまた美しい。

青空も拡がっているけれど、なにやら雲行きが怪しい。

嵐になったら、この桜ももう見納めかな。


16. 卯月(SUN) 晴れ

ベランダに小鳥用に水盤を置いてからというもの、このささやかな水場を覚えた雀たちが、

毎日遊びにやってくるのが可愛くてならない。

にゃんこ先生が存命のときは日頃はグデーとユルユルで外を眺めていたのに、

雀たちが「チュンチュン」とベランダに来ようものなら、野生の血が突然蘇ったように獰猛な猫に豹変して窓ガラスに仁王立ち。

そんな訳で雀たちは一目散に飛び去っていたのだけど、

今はベランダで平和に雀や野鳥の小鳥たちが水を飲み、水浴びして、クローバーの芽をつまんだりしている。

先月、大事なスミレの花が一斉に無くなってしまって、それがヒヨドリの仕業かもしれないと思っていたら、

まさに、二羽のヒヨドリがベランダにやってきたと思ったら、

ムシャムシャとあっと言う間にスミレの花を平らげているではないですか!

「あーーー!」と慌てて窓ガラスをコツンと小突いたら、二羽のヒヨドリ達はびっくりして飛び退っていった。

「やっぱり、ヒヨドリか。。。」

野鳥の仕業なんだからちょっとぐらいイイか、と余裕で思っていたけど、

目の前でスミレをムシャムシャ食べているのを見たら反射的に追い払ってしまった。

ああ、もう満開になっていたのに、あっと言う間のことなのに全部無くなってる。。。

だって、近所に桜もいっぱい咲いてたんだから、こんな小さなスミレを食べなくてもいいのにねえ。

彼らはかなり驚いていたのでここにはもう来ないかも。

 

そう思った通り、ヒヨドリが来なくなって、スミレ達はまた満開に。

ここに大きい野鳥が来なくなったので、小さい雀たちは安心してキャッキャと遊んで過ごしている。

そういえば、ちょっと前まで小さな野鳥がつがいで来ていたけど、最近見掛けない。

渡り鳥だったのかな。

 

それから、ここに住み始めてからずっと聞いていた涼やかな爽やかな声で鳴く野鳥がいる。

何と言う鳥なのかが分からない。。。

きっとこんなところに飛んでくるくらいなのだから、そんなに珍しい野鳥ではないと思う。

公園や緑の多い郊外で暮らしてる人は普通に耳にするのかもしれない。

野鳥や野花の名前など、殆ど知らないので特定できないのがもどかしいけど、

鳴き声を耳にすると爽やかな心地になる小鳥(たぶん)なのだ。

 

近所で大規模な工事が続いた数年間があって、それからずっと来なくなってしまったけれど、

つい先日、軽やかなあの声が外から聴こえてきた。

帰って来たのかも!

春から初夏にかけて、一年で一番心地よい頃に、

あの小鳥の声が聞こえはじめる。

またここらに遊びに来てくれたら本当に嬉しいな。


14. 卯月(FRI) 晴れ

台所のシンク下に水漏れがあって、流し自体を新しいものに取り替えることになった。

台所の棚や流しの下の収納の中身を全部出して部屋に移して行く作業。

ここだけで結構な量の荷物があって、移動と片付けに改めて驚き。。。

年々部屋全体に荷物が増えているので、これでどこかへ引越しとなったら一体どうなるのかしらと呆然としてしまう。

取り替え工事は無事終了して、新しいシンクになって気持ち良く台所仕事が出来るのが嬉しいキモチ。

暖かくなってきたので、また自家製パンを作らなくちゃ、と気持ちもウキウキと。

 

今週は欧州サッカークラブのチャンピオンリーグが開催された。

香川選手が所属するドルトムントとモナコの試合をザッピングして見ようとしたら、試合が放送されていない。

どうしたのかと思ったら、彼らのチームバスが爆弾テロ攻撃に遭ったというニュースに驚愕。。。

以前にもパリのスタジアムで自爆テロがあったけど、

またしても人々が集まるサッカーが標的にされている。

ドルトムントの選手と関係者の二人が負傷とのこと。死者が出なくて本当に良かった。

でも、翌日に試合を開催するというUEFAの決定が。

日常では感じないレベルの恐怖を感じてるはずなのに、試合をさせるなんて。

かなり混乱もあったようだけど、試合をやり遂げた彼らの姿勢は立派だなと思った。

 

今回のCLは応援しているユベントスとレアルマドリーが共に勝利を飾れて大満足。

岡崎選手所属のレスターは無得点で負けたものの、ホームのアトレティコ相手に1-0で済んだのは不幸中の幸い!

ホームのレスターの試合も楽しみ。

何と言っても、バルサ相手に3-0で勝ったユーベがすごい。やっと大舞台でのディバラの活躍を見れたし、

絶好調のバイエルン相手にレアルマドリーがアウエイで1ー2で勝てたのも、ロナの2ゴールも最高だった。

 

香川と岡崎のマッチアップが見たいので、ドルトは劣勢をはね除けて勝ち進んでほしいし、

岡崎のレスターも強敵難攻不落のアトレティコに勝って、

準決勝で日本人対決というカードが見たいけど、どうなることやら。。。

今年はサッカーが面白い。

この夏も選手や監督の大移動がありそうなので今から楽しみ。

W杯最終予選も大詰めだし、ワクワクワク。。。


11. 卯月(TUE)

河鍋暁斎の展覧会へ、渋谷BunkamuraへGO!

数年前に丸の内の三菱一号館の暁斎展へ出掛けたけれど、

この稀有な絵師の魔力に吸い寄せられて、

大雨の中、Bunkamuraへ。。。

中での写真撮影は禁止なので、何も撮れなかったのが残念。

そういえば、パリのルーブルなんかでは絵の模写をしている人もいたけど、

(ルーブルも現在はどうだったかな、長時間の模写は禁止になったのかもしれないけど。。。)

日本のミュージアムでは写真はともよりスケッチも禁止されてるんだとか。

”なまずと猫”の絵が笑いのつぼにグッと来てしまったので、この絵がポストカードになってたらいいなあと思う。

暁斎は歌川国芳に師事していたので猫絵もたっぷり。

国芳の飼い猫らしき猫が何度も登場してくるね。

今回の英国のゴールドマン氏のコレクションは非常に面白い。英国のマーケットでたった五ポンドで手に入れた掛け軸が、

暁斎の作品との出会い、と。。。

 

幕末から明治になったときに、それまで皆がこぞって集めていた浮世絵を、

日本人はまるで紙屑を捨てるかのように粗末にしてしまっていたと聞く。

当時来日していた外国人達は、江戸施政から明治へと変化して開国して発展していく日本から、

きっとこれまでの素晴らしいもの、美しいものが全て散逸して消失してしまうだろうと危惧して、

浮世絵や文化的なものを譲り受けたり、ただ同然で買い集めたというけど。。。

まあ、幕末の戦乱のどさくさで多くの宝や美術品が海外に流失してしまったということなんだと思う。

でも、その後、海外の美術館から里帰りしてきた江戸時代の木版画の浮世絵の保存状態の良さを考えると、

海外で大事に保存されていたからこそ、残っていたんだなと思う。

暁斎の毎日欠かさずつけていた絵日記をもっとじっくり見てみたい、と思う。

暁斎は顧客の要望に応えたり、書いたものを惜しげもなく人に与えたりしていたので、

その卓越した技能と天賦の才能までに評価が届いていない気がする。

今も十分凄い評価だけれど、もっともっと評価されてもいいと思う。


10. 卯月(MON) 晴れたりくもったり

今日は今年最後の花見、中目黒へGO!

混雑のピークは過ぎて、丁度良い賑やかさでゆったりと目黒川の桜並木を歩く。

ここの桜は目黒寄りの桜よりも古いので枝に趣きがあって良い感じ。

昨日も雨風が強かったので地面には桜の絨毯が敷き詰められている。

でも、それにも負けないほどの満開の桜。

桜は”陰の気”を好む植物なので、水の方へと枝を伸ばす。

”陽の気”はもちろんお日様。

水辺に映える桜。

晴天の桜も美しいけれど、曇天の空が桜に美しくマッチする。

夕方になってきて人がどんどんやってきて混雑し始めたので、

脇道へ外れる。

教会の前の植え込みにシロツメ草が。

信じられないくらいの大きさ。写真のクローバーは人の手のひらほどという大きさ。

クローバー大好きな私もちょっと怖いくらいに感じて。。。

そういえば、中目黒の東山界隈に、良さげな和菓子屋さんがあったので行ってみる。

住宅街にある和菓子屋さん『雅庵』。

わらび餅と桜餅と羽二重餅と。

近所の公園の桜を眺めつつ、和菓子を頬張る。

久しぶりに美味しい和菓子を食べたなあ、という実感。

惚れ惚れと美味しい。

また買いに行こう。。。

頭上を仰ぎ見ると、幾重にも重なるふんわり花びらが愛らしい。これは八重桜?

おうちに帰って『雅庵』のわらび餅を食後のおやつに食べる。

鎌倉の『こすず』や、白金の『利庵』のわらび餅をも凌ぐほどのトロけ具合。。。

美味、美味なのだ。。。


08. 卯月(SAT) 雨のちくもり

今年は時間が合わなくて、毎年のようには花見に行けなかったけど、

それでも浅草の桜を見ようとやって来た。

昨日は雨風も凄かったけど、まだ桜は残っていた。

いつもだったらこのビル群の奥にスカイツリーが見れるんだけど、

今日はけぶった天気で見えないのが残念。

10年前くらいまでは閑古鳥だった(?)隅田川クルーズの観光船は今や観光客で長蛇の列。すごいね。。。

向島界隈の公園でお花見。

前日の雨で広場や小道が泥でぬかるんでいるので、石垣のところにシートを敷いて腰掛ける。

浅草の松屋デパートで買ってきた「羽二重団子」で花より団子。

団子をグイっと横食いと行こう。。。

 

最近は旅先や散策先の地元で評判の和菓子を買って、

景色の良いところで食すのがお気に入り。

 

向島から浅草中心部へ戻って観光。

今日はまだ混雑具合はそれほどでもないのでホッとする。

浅草6区を抜けて、れいの喫茶店へ。

浅草に来たら、地元っ子が集う「アロマ」へ。

どこにでもあるようで、ないような。囲い型のカウンターだけのレトロな喫茶店。

ここのホットドッグはペリカンパンなので懐かしい美味しさ。

浅草の昔ながらの喫茶店の多くはペリカンパンでトーストやホットドッグを作ってるので要チェック。

去年は浅草に来ても、お店が終わっていたり定休日だったりと行けなかったので、

久しぶりのアロマでゆっくりする。

店のそばに『蛇骨湯』という銭湯がある。温泉の銭湯なのか、いつも入り口で順番待ちの人々がいっぱい。

今日は特に凄かった。いつもは年輩の方々や高齢の人が多いのに、なんだか若い女性達の姿も。。。

やっぱりこういうのは、何かが紹介されたか取り上げられたのかな。恐るべし。。。

 

日も暮れたので帰路に着く。

最近、出かけるとめっきり疲れてしまって晩ごはんを作るのもしんどい時もある。

そういう気持が伝わったのか、「浅草で天麩羅をお土産に帰ろうか」とダンナさんの鶴の一声。

小海老の掻き揚げを買って、家で天丼にすることにしよう。。。

揚げ立ての天麩羅も帰る頃にはベシャッとなるので、オーブンで軽く焼いてカラリとさせる。

このお店の天つゆはダシ味が効いてて甘辛くないのでヨカッタ。

東京下町特有の真っ黒な天丼つゆがどうしても苦手なワタシ。。。

あれで育った人達はダシしょうゆのだと物足りないらしいけれど、やはり大阪人の私にはあの甘辛味はディープすぎる。

 

今年も浅草の桜を堪能できてヨカッタヨカッタ。


07. 卯月(FRI) 晴れのち雨

今は音楽も殆どが配信が主流で、CDそのものを買う行為が廃れているらしいけれど、

旧世代としては、どうしても欲しいときはCDで買うし、

イヤホンじゃなくてスピーカーから聞きたい方。。。

今は家でスピーカーの前でじっくり聴くよりも、データとしての”音楽ファイル”をダウンロードして、

かつてのウォークマンのように、外で手軽に聴く時代。。。

まあ、スピーカーで聴こうとすると、アンプやらスピーカーだの、周辺器材に高額なお金が掛ってしまうけれど、

手軽な音楽ファイルをイヤホン、ヘッドフォンで聴くとそれなりにイイ音にさえ感じることもある。。。

 

自分は音楽や音源ファイル形式などに疎いので、詳しいことは分からないけれど、

mp3などに変換されてしまった音楽がスカスカでシャンシャンした軽い音に聞こえてしまうのだ。。。

かといって、我が家のステレオ環境は究めて普通のもので、こだわっているわけでもない。。。

 

ただ、元がアナログ好きな私は曲をバラで買うのがどうも馴染めないのもある。

アルバムは一曲目から最後まで一つの”物語”になっているので、アルバムを通して聴きたいと思ってしまう。

「そーいうの、オヤジ趣味っぽい」とダンナさんには言われるけれど(いえいえ、古風なんですよ。)。。。(笑)

そういうダンナさんは配信世代に近い感覚なんだろうなあと思う。

CD全盛時代から音楽は気に入った曲をシングルで買うことが多かったし、

アコースティックな音楽が好きな私と違って、10代の頃からデジタル音楽を好んでいたそうなので、

音楽の好みは夫婦で正反対。(笑)

気持ちがノリノリになる音楽って、本当に人それぞれ違うのが面白い。

デジタルで作られた音楽で好きなものはあるけれど、

基本はギターやバイオリンなどのストリングスや木管、金管楽器などアコースティックで演奏された音楽が大好物。

レゲエも今のものよりボブマーレーの頃の方が好き。

流行りの音楽を次々に手に入れるより、気に入った音楽を長く楽しみたい方。

なので、どこかで耳にして「すごく好き」と思った曲が、

一体誰の曲なのか分からないまま何年も、ということがザラにある。

昔、WAVEが六本木にあった頃、そして渋谷のタワーレコードが宇田川町にひっそりとあった頃、

アーティスト名が分からない曲を小声でワンフレーズ口ずさんだら、

即座に教えてくれたり、一生懸命さがしてくれるカリスマ店員さん達がいた時代が、

嗚呼、懐かしい。。。(笑)

 

そんな私なので、10年以上前にチラっと聴いて「いいなあ」と思った曲が何だったのか、

やっと最近分かりました。(苦笑)

カナダの女性アーティスト、k.d.ラングの『hymns of the 49th parallel』。

2004年に発売された(13年前!)名曲のカバー集なんだけど、

抑えた演奏。好みのアコースティックで。。。

 

買う前にネットで試聴した時、あまりにアコースティックなのが良くて、

「アナログレコード盤で出してたらいいのになあ」と思った。

それで探してみたら、去年LPレコードで発売されてたそうで。

逆に今見つけて良かったのかもしれない。

アコースティックな音楽をアナログLP盤とCDやmp3などのいわゆるファイル形式とで聴き比べたら、

断然アナログLPが気持良く聴こえると思う。

もちろんコンピューターで作った音楽はデジタル手法で聴くのが良いのかもしれないけれど、

 (追記:昔のシンセサイザーで作った音楽もアナログ盤で聴くのが良いらしい。ダンナさん談)

ドラムやベースやギター、ピアノ、ヴァイオリンなんかはアナログ盤が良いよね。。。

電子楽器はどこまでも同じ音を一定の音量で揺らぐことなく出せるけれど、

人間が鳴らす楽器や声は、ずっと一定の音ではないから、そんな”揺らぎ”の部分を、

データファイルでは圧縮されてしまうし、CDでも狭い幅でしか再現出来ないけれど、

アナログレコードはあの黒い円盤に刻まれた単純にさえ見える溝が、

実は非常に複雑で多様で豊かな音源を再現してくれる、というようなことを聞いたことがある。

人が聴き分けられる”音の波長”は非常に狭いだろうけれど、聴こえていない筈の揺らぎの音も、

人の脳は確かに受け取っているんだとかで。。。

そういうあいまいな領域にある音まで再現してくれるアナログレコードの音が、

人は分からないなりに”心地よく感じる”ことが出来るのかもしれない。

 

13年越しのk.d.ラングの『hymns of the 49th parallel』。

B面1曲目の「ハレルヤ」、ウィスキーを片手に、ゆっくり聴くのが心地良いよね。。。

(またしてもオヤジ趣味といわれそう。。。)


05. 卯月(WED) 晴れ

普段、座って作業をしていることが多いので、3連日の散策強行軍で今日はヘトヘト。。。

これからの季節に向けてのアイテムをちくちく縫う。

 

今日の軽食はトルティーヤチップスとサルサ&アボカドのディップ。

トルティーヤチップスはシンプルな味付けのものを選べば、

原料はトウモロコシだけなので、結構ヘルシー。

アボカドをマッシュしてトマト、オニオンを細かく刻んで、

チリパウダーとガーリックパウダー(あればハラペーニョの刻んだのを)、

あればライムの絞り汁(なかったのでダイダイのマーマレードを刻んだのとお酢を少し混ぜた)、

ほんのちょっとケチャップ&ソースと塩こしょうで味付け。

最後に、パクチーをちぎって入れる。なかったらドライパクチーを振り掛ける。

これは、簡単で美味しいー。

焼いたトルティーヤの皮につけて、ソテーしたお肉を乗せて巻いたら本格的メキシカンかも。。。

豆類もあわせるとグッド、グッド。

お肉の代わりにレンズ豆やうずら豆、ひよこ豆なんかも合いそう。

エスニック料理大好き。


04. 卯月(TUE) 晴れ

定点観測。

桜にけぶる目黒川。

この時期は特に大勢の観光客で賑わう川沿いの道。

外国人観光客の数も年々増している。。。

いつもは静かなこの道も、桜の季節とサンマの美味しくなる季節はドドっと人が押し寄せる。

桜並木の近所にある商店のご主人と話していたら、

「テレビで紹介されてから、こんなになっちゃって。ホント、怖いね。観光バスまで来てるんだもん」って。

ほんの数年前までこの川沿いは、桜の満開の季節でさえ、

ちらほらと近所の人が行き交うくらいの静かな散歩道に過ぎなかったけど

今や東京の桜の名所人気ナンバーワンになってるって、びっくり。

テレビ番組やSNSで拡散ってホントに怖くなるほどに。。。

大勢が喜んでる賑わいも花見の醍醐味。

毎年こんなに沢山の桜が見れるというだけで贅沢なこと。。。

桜の花が手鞠のよう。

儚げで可憐で、妖艶でもあり。。。

誰もが魅了される花。


03. 卯月(MON) 晴れのち雷雨

六本木の国立新美術館の『草間彌生ーわが永遠の魂ー』展へGO!

水玉、網目、突起物などの独特のモチーフで表現し続けている草間氏。

若い来場客が多く見られて、口々に「可愛い、可愛い!」と大人気。

初期の作品と最新作の作風はかなり違っているけれど、

方や1作品に掛ける膨大な製作時間と、1日1作品完成というくらいの凄まじいスピードで描き続ける膨大な作品群。

そのエネルギッシュな製作は高齢になった今も変わらずというのがすごい。。。

最初の展示室は写真撮影可だったので、みんな記念撮影でワイワイ楽しかった。

確か高校生まで入場無料だったので、小さな子供達も展覧会を楽しんでいた。

野外展示のカボチャは大人気。

カボチャの中に入れると聞いていたのに、係員が「作品には手を触れないで下さい」とアナウンスしながら監視。(苦笑)

何かアクシデントがあったのか、もう自由に入れなくなってしまったのは残念。

撮影不可の展示の方が多いけれど、何かのびのびした雰囲気があって楽しい展示だった。

でも本当は作品のテーマ自体は結構重かったり苦しかったりするんだけど、

草間氏自身がそこから解放されることを祈り続けて製作されているような作品なので、

見るものが何か救いのようなものを感じているのかな。。。

 

ミッドタウンの桜を見にいく。

桜を撮っていたら、小雨を感じてビルの中に。

晴天の霹靂とはこのこと。。。

あっという間に黒い雲がやってきたので帰路に着く。

その後は雷雨になりにけり。

花の嵐。。。


02. 卯月(SUN) 晴れ

桜を見に小石川後楽園へGO!

しかし、信じられないことに入り口には長蛇の列が・・・。

飯田橋から小石川へ向うと、園の塀に沿って入場待ちの人々が。

ずんずん最後列を目指して歩いて行くと、水道橋の後楽園ホール側まで続いている。

わりとこじんまりの庭園の筈なのに、この大行列。

最後列は水道橋側の木戸門。中の混雑具合は如何がでしょうか。。。

ここからも入れればいいのに。

今日の時点ではまだ満開の桜が都内にそれほどあるわけでないので、

見頃の桜を求めて集まって来た私達、そして大勢の人々。

ここまで歩いて来たけど、園内33本の桜を見る為に何時間も並ぶのはつらすぎる、と思ってその場を後にした。

 

そういえば随分昔に何度か行ったことのある甘味屋さんが近いんじゃないか、と思い歩いてみた。

近い、と思ったのは大いなる勘違いであまりの遠さに足がクタクタに。

春日駅を越えて、やっと到着。

樋口一葉も住んでた界隈にある『えちごや』さん。

テレビで紹介されたのかな、お客さんで大にぎわい。

『えちごや』さんのあんみつ、フルーツたっぷりで500円。アイス入りは600円。

その他にラーメンや定食類まで。

店頭売りの和菓子やお赤飯のおにぎり、いなり寿司を買いに来るお客さんがひっきりなし。

お店にいる間に見ていると店頭に買いに来るお客さんが途切れることが全くといって言いほど無い。すごい。

老夫婦で切り盛りのお店は休む間もなくテンテコ舞いなので、

「ちょっとくらい待たされても仕方が無いね」というくらいの鷹揚な気持ちで来店されたし。

お土産用に後で和菓子や餅を買おうと思って余裕でいたら、もう完売しそうだったので慌てて表に出て注文するワタシ。

あんこがギッシリの柏餅と美味しそうな切り餅を買いました。

 

お餅は焼いてから海苔を巻いて磯辺にしたら伸びがすごくて、新鮮なつきたてのお餅!本当に美味しかった。

ここのお店は回転が良いので、毎日つきたてのお餅なんだと思う。

あずきアイス最中も大人気。

近所の子供たちが喜々として和菓子やあずきアイスをおこづかいで買いに来てるのも良い感じだった。

自分もここら界隈に住んでいたら、きっと毎日のおやつはココだろうなあ。

『えちごや』を出て坂を登っていく。

坂の途中にある昔の質屋さんの木造建築。

白い壁の土蔵も良い感じ。

犬やらいと格子の桟の風情がいい。

でも、保存指定の建造物として手入れはされていたとしても、

誰も住んでいないと木がカサカサに渇いてしまうのね。

坂の先には確か樋口一葉の家の跡地があったような。。。テクテク、ゆっくりと歩く。

 

坂の途中に珍しいものを見つけた。

おうちの玄関横の桜が綺麗だなと見ていたら、

なんと根元には植木鉢

植木鉢の中でこんなに立派に桜が育つなんて、と驚いた。。。

 

坂を登りきって少し行くと赤門が見えて来る。

今日は日曜日。大学の構内を散策することに。

東大の学舎の多くが古めかしい建物のまま。

新しい建物も建てられているけれど、古い建物の使い勝手は悪いとは思うけれど、

やはり出来る限り昔のまま、保存したり補修して残していって貰いたい思いがする。。。

白金にある東大医学部研究所も同じ建築様式だった。

白金のはロックフェラー財団が建てたと聞いたけど。。。

ひときわ紅い桜が美しい。

何やら実験中の桜のよう。

構内の博物館を見学。ちなみに入場料は無料です。

手前の機械はアインシュタイン所縁の、エレベーター?あれ?何だったっけ。。。(忘れちゃった。)

入館して目の前にあるのは世界各国から集められたものが集うコレクションッボックス。

奥には研究室のような部屋も。。。

ワニの頭骨。(笑ってる?)

大型ほ乳類、家畜たちの剥製。

動物を剥製にする行程は結構見た目もハードと聞くので、

これほどの大型の動物たちを見事に剥製にするのは、身も心も折れそうというか、大変そう。。。

ジャワ玉のネックレス。

とんぼ玉コレクターの方々にとっては垂涎のお宝というものでしょうか。。。

インドネシアの古代水晶。手削りの石のビーズが美しい。

 

現代に作られるビーズや玉は、形や粒が均一に見事に揃っているので美しいのだけど、

古代や中世に手作業で作られた不均一で歪んだビーズや玉に魅力を感じてしまう。

不揃いだからこそ美しい。

でも、わざと不揃いなのは違うのですよ。

均一にしようと丁寧に作られる過程があっての不揃いが美しく感じるのであって、

意図して歪んだのは美しくない。。。

今では簡単に(?)、石に穴を開ける機械や道具があるけれど、

昔の穴を開ける作業は研摩用の砂や植物の枝、竹ひご、木賊(とくさ)を用いての根気のいる仕事。

それを思うと、古代のひびやカケの入った石やガラスのビーズの一粒でさえ貴く愛おしい。。。

 

構内には近所に住んでる人が犬の散歩で来ていたり、観光客らがのんびり散策しているのも良い感じ。

学生さんで騒がしい集団がいないのは、さすが東大、という感じでしょうかね。

これが、あの有名な安田講堂。。。

講堂前の庭園に佇む数々の出来事を目撃したであろう雄大な樟(くす)の樹。

東大病院裏手の斜面に咲き誇るタチツボスミレ。

満開のタチツボスミレ。なんて可愛い。。。

 

近所でもたわわに咲いていたのはもう10年以上も前。

最近は殆ど皆無になってしまった。

ちょっと前まで近所にこじんまりした住宅街があって、

家々の前の小さな通りは、どこかの飼い猫たちが悠々と歩くお散歩道だったり、

庭木や四季折々の花の咲き乱れる感じの良い小道があったり、

野イチゴがたわわに実る小さな野原もあったっけ。

住宅地の真ん中に道路の開通という大規模な立ち退きがあって、地面を掘って高層階の建物が建ったので、

野いちごやスミレたちの種ごと土が無くなってしまったのかも。。。

 

感じの良い場所や通りは、一軒一軒のおうちの方々の手入れや場所への愛情が、

長年に渡ってゆっくり作りだしていたんだろうな、と改めて思う。

ハタから見たら古ぼけていたり、取るに足りないと思われるものでも、

そのものに愛情がこめられてるか否かで、何か魔法が掛けられたような雰囲気や佇まいが生まれるような気さえする。

建物じゃないけど、今は国宝といわれる茶碗でさえも何百年も昔は、

異国で人夫たちが露店でぶっかけ飯をかっこんでいたような粗末な茶碗だったりもするワケで。。。(諸説有ります。笑)

新しい建物もマンションも、新しく出来た通りや土地も、

また時間を掛けて、心地よいものに変わっていくと良いなと思う。

 

東大付属病院の裏手の門を出ると、そこは谷根千界隈。

人々が向う流れに乗って歩いて行くと、そこは不忍池!

なんと上野に到着。。。

飯田橋から水道橋前に出て、そこから後楽園をぐるりと廻って春日から本郷、

東大構内をさんざん散策して、谷根千へ、そして上野池之端まで来てしまった。。。。

調子に乗って歩き過ぎてしまって、もう足が、足が。。。

正面に見えるのは不忍池の弁天様。

そこへ続く道は桜並木だけど、今日の時点ではまだ咲いていない様子。

満開になると上野公園界隈は賑わいが凄いので、公園のあちこちには大型のゴミ箱が設置中。

既に花見宴会対策が着々と進められてる感じ。

 

今日は昼間は暖かかったけれど、夕暮れが近付くと少し肌寒い。

上野駅まで行こうと思ったけれど、足腰の疲れに限界が来たので最寄りの湯島からもう帰ろう。。。


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